2006年03月18日
仏の時間軸
仏教の世界観では「三時」という時間の流れが想定されている。諸説あるけれども、おおむね以下のようになる。
・お釈迦様の悟り(約2500年前)
↓
・「正法」…釈尊の教えが正しく伝えられる時代(500年間)
↓
・「像法」…法が形骸化する時代(500又は1000年間)
↓
・「末法」…法が滅びていく時代(10000年間)
↓
無仏の時代(56億7千万年間)
↓
・弥勒菩薩が兜率天(とそつてん)から下生、成仏
今は「末法の時代」の真っ只中。次にこの世に仏が出現するのは遥かな未来。次代の仏、弥勒菩薩は兜率天で長い長い夢を見ている。
お釈迦様が悟りを開いてから約2500年の時が過ぎ去ったと言われるけれども、56億7千万年という気の遠くなるような時間は、四捨五入で少しも減ってくれない…
生まれ変わり死に変わり、輪廻転生し続ければ、いつか仏と出会えるかもしれない。しかし今生きているこの人生では不可能だ。
そんな空白の時代、衆生の救いを委ねられたのが地蔵菩薩。
この濁世で現在活動中の救い主。
菩薩であるが出家僧の姿をしているのは、身を飾る暇も無く救済のために駆けつけたためであるとも、我々に親しみやすく感じさせるためであるとも伝えられる。
【図像について】
左から順に釈迦如来、地蔵菩薩、弥勒菩薩。
それぞれ代表的な図像を元に作画。
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