blogtitle001.jpg

2006年03月27日

六道能化

jizo-04.jpg

 仏教では衆生は六道(ろくどう)を輪廻転生し続けると考える。
 六道とは、地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・修羅・人・天の六つの世界。神々の住む天の世界も、仏教では欲にとらわれた迷いの世界の内に数える。
 解脱(げだつ)して仏に成るということは、あらゆる欲望・とらわれから自由になって、この六道の迷いの世界から抜け出すことを意味する。だから六道で自在に活動するのは、既に成仏した如来様より、まだ成仏に至らない菩薩の方が向いている。
 お地蔵様もそうした菩薩の一人で、地獄すら含めた六道全てを守備範囲にする稀有な存在だ。
 さらに、お地蔵様にはもう一つ大きな特徴がある。それは六道それぞれの世界で、神々や修羅、老若男女、禽獣、餓鬼、閻魔、獄卒などなど、あらゆる姿に変化して救済を行うことだ。
 これを「六道能化(ろくどうのうけ)」と言う。
 徹底的に苦しむ衆生と同じ目線で手を差し伸べるお地蔵様は、「全ての衆生を救うまでは成仏しない」という前世の誓いに相応しい能力を獲得したようだ。

 だから私達も、もしかしたら知らず知らずのうちにお地蔵様の化身に出会っているのかもしれない。
 見ず知らずの人に、思いもよらない親切を受けて、心の底から救われた気がすることがある。
 通りすがりの子供や老人、犬猫などの姿を見て、柄にもなくふと優しい気分が湧いて来ることがある。
 そんな時はもしかしたら・・・
posted by 九郎 at 23:17| Comment(4) | TrackBack(1) | 地蔵 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> 管理人様

突然のコメント失礼いたします。
この度、拙ブログにて地蔵菩薩について考えてみたのですが、その際貴ブログで学ばせていただきました。御礼を兼ねて拙ログからリンクを張りましたが、もしご迷惑であればご指摘ください。

それでは失礼いたします。
Posted by tenjin95 at 2006年03月31日 05:49
 コメント・トラックバックをありがとうございました。
 こちらのブログではなるべく文章を短く済ませるために、原資料についての説明をあまり書いていませんので、tenjin95さんのように詳述なさっているブログに繋げていただけると助かります。

 紹介していただいたページの「縁日草子」のタイトルの修正を、よろしくお願いします。m(_ _)m
Posted by 九郎 at 2006年03月31日 12:35
初めまして、静岡県在住の者です。

もし、分かれば教えて下さい。

2012年に息子は、前厄で1,2ヶ月の間に、次々と事故や怪我に遭い、
どれもこれも命に係わる為、このままでは死んでしまうのではと、
毎日悩んでおりました。
ある朝、通勤途中に、急に平仮名で1文字づつ、頭に浮かんできました。
それを紙に書いて繋げてみた所、
「ろくどうのうけじぞうてんめい」となりました。

インターネットで色々調べた所、六地蔵さんに
お参りに行けという事だと思ったので探して行
きました。

そこは、大井川沿いの家山駅近くの曹洞宗のお寺
さんに六地蔵さんがいらっしゃいました。
お顔を見たとたんに、涙が止まらなくなり、
感謝と息子や娘達の事をお願いしました。

その後、不思議と息子に何も起こらなくなりました。

ちなみに私は次女が亡くなってから毎月、愛知県豊川にある曹洞宗妙厳寺
(豊川稲荷;豊川だきにしんてん様)へ毎月お参りに行ってます。
(だきにしんてん様より、毎月来なさいと言われた為)


管理人様の説明で六道能化は分かったのですが、
「地蔵天明」の意味が分かりません。
どうか、ご教示の程、宜しくお願い致します。

Posted by 恵子 at 2015年10月26日 22:09
恵子さん、コメントありがとうございます。

ご質問の件ですが、正直申し上げまして、私がお答えできる領域ではないように思います。
私は専門の宗教者ではなく、神仏の物語に多少通じた絵描きに過ぎませんので、分は弁えたいと考えております。
恵子さんが感ずるところのあった六地蔵さんを管理されているお寺さんに相談なさるのが、まずは順当かと思います。

その上で、あえて一言感想を述べさせていただきますと、「てんめい」は「天命」ともとれますので、件の六地蔵と出会えたことで、すでに恵子さんは救われているのかなとも感じました。
Posted by 九郎 at 2015年10月27日 22:50
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

何故、阿弥陀仏は勝って地蔵菩薩は敗れたのか?(前編)
Excerpt: いきなりタイトルだけを見ると、ラグナロックとかハルマゲドンでも起きたのか?と思ってしまうかもしれませんが、そんなことではありません。現在、この両者をつらつら見比べてみますと、阿弥陀仏は浄土教系の浄土宗..
Weblog: つらつら日暮らし
Tracked: 2006-03-31 05:49