2006年04月17日

シヴァの息子

 シヴァとパールヴァティーには、ガネーシャとスカンダという息子達がいる。神話にはいくつかバージョンがあるが、代表的な形を紹介してみよう。

【ガネーシャ】
 パールヴァティーは、夫シヴァの留守中に自分の垢を集めて男の子の人形を作った。その人形に命を吹き込んで息子とし、入浴中の警護を申し付けた。
 そこへシヴァが帰ってきたのだが、お互いを知らない初対面の二人は「入れろ、入れない」の押し問答になった。二人は激しく戦い、シヴァは苦戦しつつも男の子の首をはねた。入浴を終えたパールヴァティーは、息子の死を知って悲しみ、怒り狂った。
 シヴァは償いのためにガネーシャを生き返らせることにした。部下を北に派遣し、最初に出会った生き物の首を持ってくるように命じた。部下は象と出会い、ガネーシャは象頭になった。

dk-08.JPG

 ガネーシャは象の頭を持ち、太鼓腹を抱える。手には好物の「歓喜団」を持ち、 斧を構え、右側の牙が折れている。鼠を乗物にするとも伝えられる。
 右側の牙が折れているのは、一説には、月に自分が転んだことを笑われて、怒って投げつけたせいであると言う。
 月と言えば、シヴァの髪飾りの三日月が想起される。
 また、ガネーシャには、魔物の王であるとの伝承もある。
 象といえば、先に紹介したシヴァの畏怖相・マハーカーラには、象の魔神を退治したと言う伝承がある。マントのように象の皮を被っているのはそのためだ。
 最初に紹介したガネーシャ誕生の神話も含めて、神話の断片にはシヴァとガネーシャには微妙な緊張関係が感じられる。発祥が別の神々が、ファミリーとして編成される過程で、それぞれの神やそれを奉じる部族の間に色々と曲折があったのかもしれない。

 現在のガネーシャは温和で知略に富んだ神で、現世利益、商売繁盛の神として、インドでは幅広く信仰されている。

【スカンダ】
 シヴァにはもう一人、スカンダ(またはカールッティケーヤ)という息子がいる。この神にも様々な興味深い神話が残されているけれども、今回は「強力な軍神」であると紹介するにとどめる。

 肥満し、知略に富んだ福神としてのガネーシャ。
 俊敏で直情的な軍神としてのスカンダ。
 この兄弟神の対照的なイメージが、後に不思議な再会を果たすことになる。
posted by 九郎 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 大黒 | 更新情報をチェックする
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