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2006年05月13日

神仏絵図常用資料3



●「図説仏像集成―図像抄による」大法輪編集部
 白描画の資料としては前々回の「曼荼羅図典」が最強なのだが、なにぶん大型本で価格も高く、誰にでも手が出せるというものではない。そこで一般に知られた仏尊のみをまとめてあるのがこの一冊。
 実は前出の「曼荼羅図典」には、一般には親しまれているものの、経典に準じていない神仏の姿形は収録されていなかったりする。あくまで大曼荼羅を描くための資料なので仕方がない面もあるが、意外に有名な図像が抜けていたりするのだ。
 この「図説仏像集成」はその穴を補完するのに大変便利し、曼荼羅に踏み込まず、単独の仏画を志すならば、まずはこの一冊だけで十分事足りる。文字による解説も詳細で、出典も明記してある。仏尊の姿形にはそれぞれ意味があるので、きっちりそれを解説してあるのはありがたい。

●「仏像さしえ集―複写・転載自由自在」国書刊行会
 こちらは仏尊・神々・祖師・仏具等の、伝統的に使用されてきた図像のみをただひたすら集積した一冊。文字による解説は一切ないものの、名前は明記してあるので他の資料にあたれば問題無い。
 図像はやや鮮明さに欠けるものの、とにかく収録されている種類が豊富で、眺めているだけで様々な発見をしたり、インスピレーションが湧いてきたりする。他の資料に載っていないマイナーな神仏の図像が収録されているので、使える一冊だ。

posted by 九郎 at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする
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