神仏絵図常用資料1〜3では、主に仏教における「キャラクター」である仏尊の白描画資料について紹介してきた。
今回は仏教の「背景」にあたる宇宙観についての参考資料を紹介。
●「須弥山と極楽―仏教の宇宙観」定方 晟(講談社現代新書)
仏教の宇宙観は、現代科学の宇宙観とは全く違っている。当ブログの「仏教への読み替え1 須弥山宇宙」でも軽く紹介したけれども、一見荒唐無稽な宇宙の捉え方だ。しかし、こうした宇宙観は「実証」は基にしていないけれども、考案された当時の最新の知識や論理の積み重ねから組み立てられたものであって、人間の精神の構造と読み替えれば、今なお価値を保っていると思う。
この本では、須弥山・地獄・極楽など、仏教の宇宙観についてそれぞれの構造・位置・大きさを、数々の図版とともにわかりやすく解説してある。
価格が安く、入手もきわめて容易なのでお勧めの一冊。
2006年05月13日
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