カテゴリ「大黒」次回更新分の絵を描き続ける日々。毎日少しずつ少しずつ、そろそろゴールが見えて来たか?
続きを出せない間を利用し、ブログの内容の幅を広げる。
気がついてみれば早五ヶ月目、いい感じで雑多な縁日の風景が出来上がりつつある気がする。
話は全く変わるが、前号の「ビッグコミック」から連続三回の短期連載で、山上たつひこ「中春こまわり君」が掲載されている。現在第二回目。
タイトルから一目瞭然だが、70年代の名作ギャグマンガ「がきデカ」の復活だ。(二年前にも一度復活しているそうなのだが、その作品は見逃してしまった)
こまわり君は40才、会社勤めの営業マンで、妻子とともにごく普通に暮らしている模様。西城君は同僚の営業マンで、桃ちゃんと結婚している。
今回のこまわり君は、抑制のかかった不思議な包容力を持っている。40才のこまわり君は、小学生時代のこまわり君がたまに変身していた「バーコード頭のすけべおやじ」ではなく、オールバックの髪型に、身なりもきちんとした勤め人の風情だ。(プロポーションはあのままだけど)
感情的にも安定し、たまに往年の狂気のギャグを見せてくれるが、それはもはや古典芸能の域で、懐かしい風景を見るように安心できるが、70年代の熱狂はもう無い。祭りはとっくに終わっているのだから、それは当たり前のことだ。
私はそれをもって「がきデカも駄目になった」とか「往年の作品を汚さないでほしい」とか、主張する気は無い。むしろ、ゆったりとしたテンポの、優しいこまわり君が好きになった。
懐かしいバンドの復活ライブと同様、「あの時見た熱狂」を安易に要求するのは「祝祭」と言うものがわかっていないと思う。祭りの熱狂はその場限り、二度とないからこそ輝かしい。
リバイバルに期待できるのは「同窓会」だけだ。
「その後、どうなった? 元気でやってる?」
それがわかるだけで十分。それ以上に貪ってはいけない。いい思い出を壊してはいけない。
40才のこまわり君は、消息不明になったジュンちゃんを探して、旅立つ。
ジュンちゃんと言えば、70年代の連載後期には、こまわり君以上の狂気を発揮していたキャラクターだ。新たに物語が生まれるなら、この人しかいない、と納得できる。
「がきデカ」に思い出を持つ人は、それぞれにこまわり君や、その他のキャラクターと再会してほしい。
2006年05月14日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック