被災地から他地域への疎開が始まっているようですね。
私は阪神大震災で被災し、しばらく親元に疎開してからまた戻ったのですが、その経験から少し今回の被災者の皆さんに書いておきたいことがあります。
この記事がどれだけ実際に届くのかわかりませんが、ともかく書いておきます。
特に関西以西に疎開する場合、現地に到着すると、あまりに被災地と違いすぎる現実に驚かれることと思います。東日本の太平洋側を広範囲で破壊したあの凄まじい震災ですが、関西以西では今のところほとんど目立った影響がなく、平穏そのものに見えると思います。
私も親元に避難した時に感じたのですが、「あまりに環境が違いすぎて、全く感覚が通じず、話も通じない」ということでした。
現地の避難所では同じような境遇の皆さんが身を寄せ合っていて、災害の恐ろしさについて何も言わなくても通じ合える感覚があったと思うのですが、その場を離れてしまうとまるで言葉の通じない別世界に迷い込んでしまったように感じる皆さんも多いと思います。
これまで耐乏生活が基本で、疎開先でも切り詰めて生活を守っていかなければならないと思いますが、周囲がごく普通の生活を送っている中でそれを続けるのは、つらさが伴うと思います。
できるだけ、一人とか一家族だけで孤立して疎開せず、まとまった人数の被災者が集まれる疎開先を探されるのが良いと思います。
やむを得ず孤立した状態になる場合も、ほかの被災者の皆さんと連絡を密にとれる方法を見つけて、これまでの体験やこれからの生活について、語れる場を確保してください。
疎開できればいったんサバイバル生活からは解放されますが、また新しいつらさが始まることになると思います。
どうかくれぐれも一人で思い悩まないようにしてください。
2011年03月19日
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