保育社カラーブックスの中の一冊「おりがみ」を何気なく手に取り、表紙を見た瞬間、身体に電流が走った。
そこには赤いおりがみで作られた、見事な般若の面が大写しになっていた。尖った角も出っ張った頬も目も鼻もきちんと作られ、カッと開いた口がもの凄い迫力だった。
なんだ? これが本当におりがみ?
ページを繰って折り方を確かめてみると、鶴の折り方を基本に、鋏は一切入れていないようだ。本の中には様々な伝承おりがみとともに、河合豊彰さんの考案した数々の「創作おりがみ」が紹介されていた。
当時の私は世界の民族仮面に関心があって資料を集めていたのだが、河合さんの「おりがみ」の中に多数のおりがみによる仮面が含まれていたことも、私の注意を引いた原因だった。
その一冊は100円均一だったせいもあり、即買い。
ついでに子供の頃以来の「おりがみセット」も購入して、帰宅後、さっそく「般若」に挑戦してみた。途中で多少手こずりながらもおりあげてみると、表紙写真の作品とは微妙に違った表情のお面が出来上がった。
河合さんご自身も本に書いておられるが、お面はおる人によって様々な表情に出来上がるのが面白い所だそうだ。
私はすっかり感激して、他のお面にも次々に挑戦してみた。そのうち同じ保育社カラーブックスで河合さんの本がたくさん出ていることを知り、私は取り付かれたように本を買い、お面をおりつづけた。
お面をおるには丈夫な和紙が良く、大きな紙でおった方が表情が作りやすいこともわかってきた。和紙はアクリル樹脂で固めると頑丈に仕上がることも覚えた。本に載っているおり方を参考に、少しの工夫で新しいお面が出来上がるのも本当に楽しかった。
以下にその当時私がおった作品の一部を紹介してみよう。
画像一枚目の中央が「般若」の面だ。


今回の記事を書くにあたってAmazonで調べてみると、私のバイブルである般若の面が表紙の「おりがみ」は、入手困難になっているようだが、河合さんの他の著作は今でも多くの人に愛されているようだ。
機会があれば一度手にとって見てほしい。