この夏、ひまわりにハマっていた。
ひまわりは夏の花としてはあまりにありふれていて、ずっと眺めることを忘れていた。
道を歩いているときに物凄く背の高いひまわりがそびえ立っているのを見て、子どもの頃の夏休みの記憶がよみがえってきた。
小学校の栽培実習で、たしか2年生の時、ひまわりを育てた。
同じ頃、家の庭の一画がひまわりでいっぱいだったことがあったと思う。
子供の頃見たひまわりは、見上げるように青空高く、数が植えてあるとまるでジャングルのように感じた。
大人になってからは、そんな風に「ひまわりを見上げる」という体験は少なくなった。
背が伸びたせいもあるし、あまり大きく育ったひまわり自体を見かけなくなったせいもある。
小さく育てたものは良く見かけていたのだが。
一度気になりだすと、歩いているときはいつもひまわりを探すようになった。
近所に一本、大きく育てているのがあり、毎日楽しみに開花の様子を観察した。
ひまわりは、デザインがカッコいいと改めて知った。
日々、花の様子は変わって行く。
何箇所かお気に入りのひまわりを確保して、それぞれの時期を楽しんだ。
人間でいえばうなじから後頭部の当たりのデザインが絶品だ。
ゴッホではないが、ひまわりは枯れても美しい。
お盆を過ぎた頃、物凄い一本に出会ってしまった。
通りかかった畑の一角に「彼」はいた。
背丈はちょうど大人ぐらい。
うつむき加減に頭を垂れている。
巨大な葉っぱは着物のように風に揺れる。
直径5cmほどもある茎が、大地を踏みしめている。
はじめ私は、誰か人がそこに立っているのかと思った。
しばらくその場を離れられず、一期一会を楽しんだ。
今、「彼」はどうなっているのだろうか?
たまに遠くの畑に思いをはせる。
2011年08月26日
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