なんといっても「太陽の塔」は岡本太郎の代表作だ。
質的に太郎作品の中でも最上級であることはもちろん、大阪万博の時代状況、制作環境や、その後辿った経緯も含めて、いまだに「神話」が再生産され続けている。
多くの人に愛され、誰もが実際に体感することができる「現役」の作品であることが、また素晴らしい。
大阪千里丘陵にある万博公園にモノレールで行ってみると、公園へと続く道の途中には「太陽の塔」グッズが各種取り揃えてある売店もある。
よく売れているのは1500円ぐらいの模型と、500〜600円くらいのストラップの類だろう。
模型の方はお手頃価格で「太陽の塔」の形状をまずまず再現出来ており、ソフトビニール製でどう扱っても壊れようがない強度を持っているので、オモチャにしても大丈夫だ。
逆に言うと、あくまでオモチャの範囲内であって、精密な再現模型とは言い難い。
私は岡本太郎にハマった90年代後半頃から、ずっと「もうすこし質の高い模型が欲しい」と思っていたのだが、去年ようやく満足できるものが発売された。
●「1/350スケール 太陽の塔」ソフトビニール製塗装済み完成モデル(海洋堂)
今はもう入手困難になっているようで、けっこうなプレミア価格になってしまっているが、発売当時は2980円で手を出し易かった。
上掲のお土産品の写真や、実物写真と比べると、かなり再現度が高いことが分かると思う。
全高220ミリ。
解説ブックレット等は付属していないが、箱にけっこう詳細な解説が印刷されている。
さすがの海洋堂品質だが、こうした彩色済みフィギュアの制作工程上、どうしても「塗り」「仕上げ」に多少のばらつきは出てしまう。
私は書店で売られていた4個ほどの中から、自分の思うベストの物を選んで買った。
今現在amazonでは12000円程の値がついているようだが、実物の状態を確かめられない通販でこの値段では、購入にはちょっとリスクがあると思う。
発売されてから一年余りなので、大型書店などで探せば、ぎりぎりまだ定価の物が出ているかもしれない。
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試作おりがみ「太陽の塔」
2011年12月18日
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