
キャンプ場から三十分ほど軽い登山をすると、友ヶ島最高峰のタカノス山展望台に到着する。紀淡海峡の風景が広く展望できるので、地理条件の把握にぴったりだ。
とくに早朝の展望は素晴らしく、国生み神話のイメージが豊かに広がってくる。

展望台のすぐ下には、友ヶ島最大の観光スポット・第三砲台跡がある。
普通に旅行で訪れるなら、ここが一番の見所になるだろう。
かつての要塞島最大を誇った砲台跡は、たった数十年前の軍事施設なのに、はやくも深い緑に覆われつつある。それでも他の砲台跡に比べれば、はるかに保存がなされているのだが。

弾薬庫が続く通路を歩くと、静かな古代遺跡のような雰囲気だ。

かつて砲台が設置されていた箇所には、二つの円形の穴が開いている。

内部に入り込んで立つと、しんとした雰囲気に身が引き締まる。
下山ルートの一つをたどると、途中に第五砲台跡がある。

わかりにくい場所にあるので訪れる人は少ないのだろう。こちらは半ば自然に飲み込まれてしまっている。

これまでの二つの砲台とはまた違う構造で、立体的な散策が楽しめる。