
島中央部南側の南垂水公園にもキャンプ場がある。蛇ヶ池のほとりの池尻公園キャンプ場よりもはるかに面積が広く、ポンプ式の水場も多い。こちらも芝生が美しく、屋根付ベンチやキャンプファイアー用のサークルもある。売店のある野奈浦まで徒歩で約五分かかることだけがやや難だが、そもそもキャンプ場がそんなに便利である必要もない。

ここには友ヶ島不動も祀られていて、後述予定の葛城修験の拝所になっている。

なんにもない無人島の、人影まばらなキャンプ場。夏場なら午後五時には夕飯の支度をして六時には食べ、後片付けをして八時に暗くなってしまえば、その後はもう寝るしかない。
島だからオートキャンプも不可能。ゴテゴテした装備の持ち込めない、リュック一つのキャンプはさっさと寝るに限る。「なんにもない」という前提に立ち、覚悟を決めれば、飯盒で炊いた雑穀粥は素晴らしく美味く感じるし、歩き回った昼間の疲労は眠りを誘ってくれる。
夜半、ふと目が覚めると、物悲しい鳴き声が木立の奥から響いてくる。あれは鹿の音だろうか?
寝袋を出て空を見上げれば、見事な天の川が流れ、いくつもの流星が飛び交う。普段夜の明るい都市部に住んでいると天の川など全く見えないし、流れ星が夜空を頻繁に飛び交っていることなど知りようもない。
何もない所の方が味わえることもたくさんあるのだ。
関空の空路にあたっているらしくて、夜間でもやたらに飛行機がくるのには興ざめでしたが・・・