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2006年10月20日

月のウサギ

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(今昔物語天竺篇巻五第十三より略述)

 今は昔、天竺のこと。
 ウサギとサルとキツネが発心して修行を積んでいた。
 前世で罪を犯して地獄に堕ち、それでも残った罪を償うために獣となった三匹。
 ある時、神の王である帝釈天が三匹の心を試すために、疲れた老人となって姿を現した。獣たちはこの老人を養うことに決めた。
 サルとキツネはたくさんの食べ物を集めてくるが、ウサギは何一つ集めてくることが出来ない。ウサギは耳を高く背を丸め、目を大きく前足短く、尻の穴は大きく開いて懸命に探すが、それでも何一つ集めてくることが出来ない。老人やサル、キツネに無能をからかわれたウサギは、サルとキツネに焚き火をおこさせた。 
 いぶかる一人と二匹の目の前で、ウサギはその身を火に投じた。自ら老人の食物になろうとしたのだ。
 たちまち老人は帝釈天と現れて、火に飛び込んだウサギの姿を月に映した。
 今でも月には雲のような模様があって、このウサギの求道の心を人々に知らせているのである。
posted by 九郎 at 21:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 中世物語 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやー、お久しぶりです。
お元気でしょうか?

マジで久々です。ご無沙汰しています。
私も気晴らしにブログ日記書いてるよ。
ここは落ち着く場所ですねー 
お気に入りにいれました。あとで読みにきます。
さて、肩こりがひどいので、マッサージ行ってきまーす。(苦笑)
またねー^^

Posted by 今昔・・・物語 at 2006年12月07日 14:09
>今昔・・・物語さん

こちらのブログサービスはたびたび動作が重いことがあって、コメント等がページに反映されるまでに時間がかかることがあるんですよ。

路地裏の小さな隠れ家っぽく、ぼちぼちやってます。今後ともよろしく(笑)
Posted by 九郎 at 2006年12月08日 13:18
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