この間の三連休の中日、フリマに出店してきた。
最近、近場の出店が多かったのだが、久々の遠征。
場所は京都府北部の綾部市。
とあるお祭りの運営をやっている友人から、出店のお誘いをもらった。
イベントの詳細はこちらで。
土曜の夕方から「縁日屋」一式をかついで出発。綾部の合宿所みたいなところで一泊。早起きして準備をする。
綾部は山間部の美しい所です。
お祭り自体は三連休まるごと開催されていたので、私が会場に到着したのは二日目の朝。
既に会場には多数のお店が設営されていて、それぞれのテントでは朝食の炊煙が上がっていた。
会場には数々のオブジェやTipi(北米インディアンのテント)、ゲル(モンゴルのテント)が設置されていた。
雰囲気は、私が十数年前に衝撃を受けた海辺の祭に近い感じで、素晴らしい。
出演したり出店したりしている皆さんの中にも、けっこうあの海辺のお祭りと共通している人たちがいたのではないだろうか。
そう言えば今回ライブに出演していたHALKO(桑名晴子)さんも、あの海辺のお祭りの常連だった。
単なるイベントではなく、「お祭り」なのでちゃんと朝拝から始まる。
開場時間が近づくと、あちこちのテントから人がわらわらと出てきて、出店準備が始まる。
エスニック料理や民族衣装、自然食品や雑貨等のお店や、環境問題や3.11を考えるスペースがひしめいていて、それ自体が会場の舞台装置になっている。
ライブに出演するミュージシャンだけでなく、ギターやウクレレ、太鼓や各種民俗楽器を持ち込んでいる人がたくさんいる。あちこちで即興演奏が絶え間なく、ライブのステージと会場内、出演者と参加者がゆるく溶け合っている。
ちょっと現代日本離れした風景は、アジアか日本の中世の市場のような印象がある。
各地のお祭りからテキ屋の皆さんが排除され、なんとなく面白味の薄れつつある昨今だが、こうした新しい形の、ちょっと変わった品やメニューが並ぶ仮設店舗を出せる皆さんが増えてきているのは、なんとも楽しいことだ。
我が縁日屋も取り急ぎ、設営。
かついで来れるだけのスペックだったので、いつものフル装備よりは、やや軽めの店構え。
会場には水遊びができる場所もあり、日が昇って気温が上がると、お店をやっている皆さんの子供たちが、はだかんぼで遊び始めたりしている。
絵図に見る極楽の池の風景のようだ(笑)
当日は残念ながら快晴とはいかず、午前中を中心に断続的に雨がぱらつき、かなり激しく降ったりもした。
我が「縁日屋」はTシャツとポストカードが主力なので、雨には非常に弱い。
降っている間は店を畳んでおく以外に手は無い。
せっかく遠出してきたので、午前中は割りきってお祭り見物に専念したのだが、午後になっても中々すっきりしない。
このままでは何をしに来たかわからないので、とにかく降ってきたらすぐに収納できる配置にして、いつもやっている客寄せの「絵解き」をはじめてしまうことにした。
元々愛想もなく接客向きとは言い難い人間が、怪しげな神仏ネタのイラストやTシャツを前にして黙って座っていると「やだ何あの人怖い」という印象を与えがちなので、無意味にお客さんを威嚇しないよう、店をやっている間は絵を描くことにしているのだ。
即興で仏画などを描いていると、近づいてくるのはそういうものに関心のある人か、好奇心の強い子供たちに限られてくるので、ブースに並べてある各種グッズにも興味をつなげやすい。
日本の中世から近世にかけて、各種曼荼羅の入った厨子を背負い、辻や市でその曼荼羅を広げて功徳を語り、札などを売ったりする「絵解き」と呼ばれる人々がいた。
彼らは旅芸人であり、遊行乞食でもあった。
我が「縁日屋」も、それで生計を立てていないアマチュアではあるけれども、そうした「絵解き」にあやかりたいと願っている。
我が「縁日屋」は、けっこう市を選ぶ。
不用品などを売るごく普通のフリーマーケットでは、けっこう浮いてしまうので、「手作り市」やライブなどがあるイベントでの出店で、仏画やアジア雑貨等の好きな人がたくさん集まる場所でないと、そもそも関心を持ってもらえないのだ。
その点、今回のお祭りは、行きかう皆さんに本当に恵まれた。
皆さんなかなかのツワモノぞろいで、熱心に仏画を眺めた後、手を合わせて真言を唱えたり、けっこう突っ込んだ質問を受けたりした。
御自身も仏画を描くという人がいて、情報交換できたりもした。
子供たちがわらわら集まってきてくると、それにつられて大人も集まり易い雰囲気になるのでありがたい。
今回は子供受けするように新兵器も投入した。
上の「縁日屋」の写真にチラッと写っているが、北米インディアン風のヤタガラスの仮面、背中に「縁日屋」と大書した黒マント、それから下の写真のちょうちんだ。
百均で買ったちょうちんに絵付けをし、中にはこれも百均で入手したLEDランタンを仕込む。
いい感じで安っぽい色とりどりの光が、我が「縁日屋」にはよく似合う。
けっこうウケて、作り方を質問されたり、写真を撮ってもらったりした(笑)
会場は暗くなってからの方が、いよいよ良い雰囲気になってくる。
このまま会場で夜を明かし、語ったり歌ったり踊ったりできたら最高なのだが、残念ながら都合があって午後八時過ぎには撤収しなければならなかった。
雨のせいもあって、この日の収支はなんとかトントンくらい。
天候ばかりは仕方がないので、いいお祭りに参加できたことに、まずは感謝しなければならない。
このお祭りは今年が第一回。
またの機会があれば、ぜひ参加してみたいと感じた。
2012年10月11日
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