私のアウトドアは「遍路」が主目的で、経験を重ねるごとに徐々に荷物を減らし、テントはあまり持たない方向に進んできた。
快適に「歩く」ことに重点を置いた結果、そうなった。
しかし「キャンプ」もやっぱり好きだったので、移動を目的とせず、テントを張ってのんびりするアウトドアも、それはそれで遍路とは別に楽しむようになった。
テントはこの十年程の間にも、様々な新製品がかなり出た。
近年では「前室」という概念が、けっこう人気になってきているようだ。
テント内部の快適さを考える場合、重要になってくるのは通気性と断熱性だ。
その両方を確保するために、特にドーム型テントは「インナールーム」と「フライシート」の二層構造になっているものが多い。
居住空間であるインナールームにかぶせるフライシートを出入り口方向に延長して、インナーの他にもう一つ風雨を防ぐ空間を確保するのが「前室」だ。
前室にはインナールームほど断熱性はなく、地面もそのままだが、荷物や靴を置いたり、雨天時に簡単な調理を行ったりするのに非常に便利だ。
いざという時には前室にもう一人寝ることもできる。
この「前室」付きのドームテント、前から何かに似ていると思っていたのだが、最近答えに気づいた。
亀甲墓にそっくりなのだ。
私の持っている前室付きドームテントは以下の製品で、盛り上がった本体のドーム天井から腕のように二本のフライシートが伸びている様子や、その間から中に入りこむ構造が、沖縄の古いお墓によく似ているのである。
●キャンパーズコレクション バックパックドームテント2
非常にコストパフォーマンスの高い前室付きドームテントだ。
インナーには大人二人が余裕で寝られるし、前室もけっこう広い。
私の場合は通常のキャンプ以外にも、野外イベント型で宿泊ありのフリーマーケットで使用することを想定している。
前室空間をオープンにしてグッズを並べれば、雨が降ってもフライシートでさっと覆い、自分はインナーに避難してしまえばいいので便利だ。
本体重量は3.8sで担いで持ち運ぶには重いが、キャリー使用を考えればさほどでもない。
この広さの製品の中ではかなりコンパクトな方だ。
付属のペグがずっしり重く大きいので、これを小型軽量のものにとりかえればかなり使いやすくなる。
●アライテント ステックペグ
一本10gで、おもちゃみたいに見えるがちゃんと使えるペグだ。
90年代半ばの私が遍路を始めて間もなくで、まだ登山ショップなどにもほとんど行ったことがない頃、やや緊張しながら専門店に入ると、店員さんがけっこう親切に荷物の軽量化の相談に乗ってくれた。
そのときに教えてもらった工夫の一つが「ペグを軽いものに買い替えること」だった。
テント自体の小型・軽量化を追求すると高価なものを購入する他ないのだが、安価なテントの場合は付属のペグがかなり大きくて重いスチール製の場合が多いので、それを買い替えるだけでもけっこう荷物を軽くできるとのこと。
ペグだけ買えば安上がりで、貧乏な私にもさっそく実行できる工夫だったので、助かった覚えがある。
それ以来、私は専門店に入ったときには、店員さんには遠慮なく色々質問してアドバイスをもらうようにしている。
のんびりキャンプを楽しむ場合には「前室」付きテントがお勧めだ。
2013年01月29日
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