「おじいちゃんの弁当箱は、でかい水筒みたいやな」
子供の頃、祖父母の家に行ったとき、大工だった祖父の弁当を用意している祖母の様子を見ながら、私はそんな風に考えていた。
黒い大きな水筒のような容れ物に、ご飯やおかずを順番にいれていき、味噌汁まで収納されるのに驚いた。
もうはるか昔のことなのだが、たぶん保温ランチジャーの類だったのではないかと思う。
今でも当時の映像が浮かぶのは、自分のものとはまったく違うタイプの弁当箱を、子供心によほど興味を持って眺めていたのだろう。
それからずっと時は流れ、大人になってからホームセンターに頻繁に出入りするようになって、ふと弁当箱や水筒が並んでいるエリアを通りかかったとき、いつもちらちら気になっていたのが、保温ランチジャーだった。
「ああ、おじいちゃんが使ってたのはこういうやつか……」
ちょっと手にとってみたりするものの、あいにくゴツい弁当箱を日常的に使用する環境になかったので、興味はあるものの購入するには至らず。
そんな状態がず〜〜〜っと長く続いていた。
ところが今年度に入って、スケジュールの関係で、週一回だけだが弁当が必要な曜日ができた。
今後一年間は同様のスケジュールが続く予定。
まず考えたのは、弁当箱のこと。
あれ、買っちゃうか?
買うんだったらこのタイミングしかないよな……
で、買ってしまった。
●THERMOS ステンレスランチジャー ダークネイビー JBC-800 DNVY
肉体労働ではなく、もう若くもないので、ホームセンターで見かけるようなガツンとしたサイズはやめておく。
腰痛持ちでもあるので、なるべく軽量なものがよいということもある。
円筒形にこだわらなければ、保温弁当箱にも様々な形態が有り、容量も選びやすいのだが、私の場合は「昔おじいちゃんが使ってたみたいなやつ」というなんとなくの希望がある。
総じて円筒形はゴツいのが多く、ちょうどのものがなかなか見つからなかったのだが、やや小さめのものがamazonで見つかったので購入。
先週使用してみたところ、朝入れた味噌汁が熱々のまま昼前まで保温されており、美味しく昼食をとることができた。
保温容器に下からスープ容器、ごはん容器、おかず容器を重ねて、熱いスープの温度を利用してごはんも保温する構造になっている。
ごはん容器はちょうどお茶碗いっぱい分、スープ容器はマグカップ程度、おかず容器はごく軽め。
たとえば中高生〜二十代男子だったらこれではまったく分量が足りないと思うが、弁当屋の普通盛り弁当くらいの量は十分入るので、今の私には十分だった。
2000円前後の販売価格だったら「買い」だと思う。
週一回、弁当が楽しみになった。

2013年04月22日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック