もともと男子として人並みに戦国時代は好きだったのだが、2007年頃からあらためて戦国、中でも雑賀衆の活躍した石山合戦にハマっている。
同時にガンプラ世代でもあるので、「いずれ自作甲冑を作って身につけてみたい」という欲望も、ざわざわと蠢き始めていた。
どうせ作るならハマっている雑賀衆が身につけた雑賀鉢をと考え、ぼちぼち資料集めや自作甲冑のノウハウを調べ続けてきた。
ネットで情報を渉猟していると、鎧兜の自作にも色々「流派」があり、素材も本物と同等のものから、アルミ板やプラ素材、ボール紙など様々であることが分かってきた。
では、自分ならどう作るか?
自問しながら、ホームセンター等に行った折には素材を物色し続けてきた。
思案のしどころは、兜や胴の曲面をどう成型するかということだ。
基本的には平面である素材から、どのように自然な曲面を出すか、様々な流派の皆さんも、その課題をクリアーするために試行錯誤を重ねているようだ。
ある日、ホームセンターの園芸のコーナーを通りかかった時に、インスピレーションは訪れた。
プラ素材の植木鉢が並んでいる棚の前で、私はハッと立ちすくんだ。
棚に並ぶ大小の植木鉢と二重写しになって、兜や胴が並んでいる武器庫の映像が見えたのだ!(←本当!)
その日から私は、ホームセンターや百均の園芸コーナーを通りかかるたびに、植木鉢を頭にかぶってみたり腹に当ててみたりする不審人物と化したのだった……
プラ植木鉢から甲冑がなんとか作れるかもしれないという着想は得たものの、実際に作ってみると、いくらでも問題は出てくるだろう。
自分が身につけられるような「等身大」の前に、一度小サイズの雛形を試作してみようと思い立ったのが約半年前。
小サイズなら、百均で手に入る範囲の大きさの植木鉢で制作可能なので、材料費が抑えられる。
試作雛型とはいえ、どうせ作るなら、幼児くらいなら身につけられそうなものを……
などと妄想しながらでっち上げたのが、以下の鎧兜。
飾っている状態の全高は約60cm。
実際作ってみた感触を確かめるための雛形なので、とりあえず兜と胴だけ最低限のパーツ点数で組んである。
各種植木鉢の曲面の形状を利用して切り貼りし、塗装後、紐でつなぐ。
プラ系素材なので、成型も塗装も昔馴染みのプラモ制作技術で事足りる。
リアルな再現模型ではなく、あくまで「工作」のレベルではあるが、それなりに雰囲気のあるものが完成したと思う。
材料費だけなら2000円以下。
等身大で作るとしても、5000円は絶対かからないだろう。
工具も特別なものは必要なく、多少精度の高いノコギリや、サンドペーパーなど、一般的なものがあれば十分だ。
ただし、穴あけがかなり手間なので、小型のもので良いから電動ドリルはあった方がいいだろう。
私の場合は、ちょうど手持ちのドリルがなかったので、近所のホームセンターで一番手軽だった1500円ほどのものを購入して間に合わせた。
●AC100V ミニ ドライバー
本格的な工具とは言い難いが、日常的な穴あけ、ネジ締めなどには十分で、コード式。
今回の「あまり厚くないプラ系素材の穴あけ(ただし、穴の個数はやたらに多い)」というような用途には全く問題なく使用できた。
プラスチック植木鉢の組み合わせで鎧兜型っぽい代物を作れることは実証できたので、後は細部の作りこみや仕上げ次第で、もっとリアルにしていけると思う。
うむ。
一応、コツはつかんだ。
次は「等身大」か?
例によって、いつになるかはわからないが……
2013年05月05日
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プラ植木鉢の鎧兜、そうと言われなければ判りません、特に兜が素晴らしい!
一枚板のPPシートでは綺麗に湾曲した形状を保つのが難しいですが、植木鉢だとサイズを変える事で微妙な曲線の調整が出来そうで良いですね。
しかしそれでもこの兜の形を作るのはかなり難しいのでは?
外側へ開いた吹き返し部分、正面の凹凸のある部分、そして何より頭頂部の絶妙なしなり具合。
型紙のない状態で一から作られたのでしょうか。本当に凄い!
私はプラモデルの制作経験がないので、そうした微妙な調整の仕方が判りませんが、加熱しながら少しずつ曲げたりするのでしょうか。
電動ドリル、あると便利そうですね。いずれ私も衝角付冑を作る予定なので、その時は買って来ようかな。
等身大サイズの制作、頑張って下さいね。楽しみにしています。
この記事のプラ鉢甲冑ですが、技術的にはあまり難しいことはやっていません。
熱で曲げたのは吹き返しの部分だけで、後は全て切り貼りです。
頭頂部のしなりは、曲線的な植木鉢の中から「そういう形のもの」を探し、該当部分を切り出しました。
だから実際の制作より、適当な植木鉢探しの方に時間がかかりました(笑)
後日、もう少し詳しい制作法を記事にしますね。