2013年05月20日

プラ鉢鎧兜 制作覚書

 前回記事にコメントをいただいたので、もう少し詳しい作り方の紹介を。

 まずは参考資料。


●「図説・戦国甲冑集―決定版」伊沢昭二(歴史群像シリーズ)
 解説だけなら他にもっと正確な本があるだろうけれども、有名どころの戦国甲冑がひとまずはカラー写真で網羅されており、価格もそれほど高くない。
 何よりもこの本のいいところは、武将クラスの甲冑とともに、足軽具足が着用の仕方の連続写真とともに相当数収録されているところ。
 単なる鎧兜写真集ではなく、構造や着用の仕方が理解でき、簡単な甲冑の変遷史も収録されている。
 戦国甲冑の自作に関心のある人が、最初の一冊として選ぶのに適当だと思う。

 雑賀鉢については、雑賀衆自体がマイナーな存在なので、あまり資料は見つからないと思う。
 貴重な雑賀鉢の実物映像が、動画サイトにアップされている。
 精緻な細工を施された、これぞ雑賀鉢という逸品。




 再現されたものとしては、以下の動画がお勧めだ。



 動画の山口監督は素晴らしいモデラーでもある。
 ああ、ここまでカッコ良く作れればいいなあ、と憧れを抱いてしまう。
 地道に精進、精進。


 極上の逸品と、極上モデルの動画を見てもらったあとではちょっと恥ずかしいのだが、一応わが工作「プラ鉢鎧兜」の制作法も、簡単に紹介しておこう。
 とにかく「プラ鉢で鎧兜に見えるものを、なるべく簡単な手法ででっち上げる」ことを目指した工作である。
 最初は、側面部分に使う100均の植木鉢を、以下のようにのこぎりでカットすることから始まる。

 
waka-28.jpg

 
 細工用やまわしびきノコがあると便利だ。
 100均の植木鉢は素材がかなりペラペラで安っぽいのだが、工作素材としてはその方がむしろ使いやすい。

 次に、雑賀鉢の特徴的な頭頂部「置手拭」の部分。
 大きさや形状からぴったり使えそうなものを根気よく探し(実はこうした素材探しの時間が、制作よりもはるかに長い)、写真のようにカットする。

waka-29.jpg


 横から見たところ。

waka-30.jpg


 最初にカットした側面部分と付き合わせながら、ぴったり合うように接合面をカットする。
 プラ鉢の切断面だけでは弱いので頭頂部裏面にガイド板をぐるりと一周付け、瞬間接着剤で固定。乾燥したら樹脂を流し込んで隙間を埋めれば強度的にも問題なし。

waka-32.jpg


 前方の「眉庇」凹凸部分は、曲面に馴染むように、側面に使用したのと同じ鉢から切り出し、重ねて接着する。ふちの部分はエポキシパテで盛り上げてある。
 眉庇左右に張り出した吹き返しの部分は、電熱器で加熱したあと、ペンチで曲げる。
 頭頂部の「トゲ」は、ドリルで一列に穴を開け、小さなボルトを裏からとめ、それを芯棒にしてエポキシパテで成形。
 各所の「鋲」は、ドリルで穴を開けたあと、エポキシパテの小片を詰め込んで作ってある。見た目を整えているだけなので、強度とは全く関係がない。
 トゲと鋲は、単に接着しただけではすぐに外れてしまうので、穴あけの作業工程は必須だ。
 しころの部分は、側面より一回り大きな浅鉢から切り出し。今回は最低限の三段。

 続いて胴の部分。

waka-31.jpg


 いくら小サイズの雛形とはいえ、さすがに100均の植木鉢では適当なサイズのものが見当たらなかったので、ホームセンターで600円くらいのものを購入。
 表面には微妙に凹凸模様が入っていたが、これは胴の部分としては不自然ではないのでそのまま活かすことにする。
 ホームセンターの鉢は100均のものより素材が分厚く、多少切断には手こずるかもしれない。ただ、こういう丸いものを切る場合には電動工具が使いにくいので、意外と手動ノコギリの方がやりやすかったりする。
 武将クラスが身につけるような本格的な鎧は構造が複雑なので、今回はごく簡単な足軽胴をを参考にしている。背面の装甲も省略し、剣道の防具程度のつくり。

waka-33.jpg


 肩と腰周りの装甲は、100均の植木鉢やバケツ等の中から、適当な曲面のものを探して使用。

 塗装は一応シルバーとつや消し黒のスプレーで二重にしてあるが、あくまで「飾る」ことが前提。
 コスプレ等で「身につけて動く」なら、もっと塗膜の強度が必要なので、
1、表面のサンドペーパーがけ
2、サーフェイサー吹き付け
3、塗装
 という手順を踏んでおいたほうが良いだろう。

 大人が身につけられるような等身大も、基本的には同様の作業工程で作ることができると思う。
 精密な「再現モデル」は難しいと思うが、市販の植木鉢の形状をうまく利用して、なるべく手を抜きながら作りたい鎧兜の形状に近づけていく「工作魂」でことに当たれば、なんとか完成に持っていけるはずだ。
 お店で大の大人が植木鉢を被ったり腹に当てたりする不審な行動も(監視カメラの向こうの警備係の皆さんはさぞキモかったと思うが)、とくに職質されることもなく見逃してもらえた(笑)

 今回はここまで。
posted by 九郎 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック