民族楽器、とくに弦楽器が好きである。
エスニック雑貨店などに行くと、ついつい並んでいるオモチャ楽器に触ってみたくなる。
オモチャ楽器の自作なども度々やってきて、いくつかについてはこのカテゴリでも紹介してきた。
ギターについても、もうずっと長くいじって遊んできた。
ただ「趣味はギターです」と言えるほど、真剣に練習したことはない。
好きな歌を口ずさむときの伴奏程度だ。
そんな調子なので、ギターに類するお手軽な楽器があると、これまたついつい触ってみたくなる。
シガーボックスギターという種類の楽器があることを知ったのは、一年ほど前のこと。
昔、貧しいブルースマン達が手近にある葉巻の木箱をボディに、これも手近な棒材と組み合わせ、数本の針金を張って、簡単なギターを作って演奏していたのが起源だという。
終戦直後の沖縄で、空き缶に棒を突き刺し、パラシュートの紐をほどいて弦にしたという「カンカラ三線」と似た話だ。
検索してみるとけっこう人気のジャンルらしく、ハンドメイドしている人も多いようだ。
じゃあ、俺も一丁作ってみるか、という気分になった。
例によって、まずは雛形試作ということで、方針を立てる。
現代日本で安く手軽に工作を行う場合、最初に浮かぶ発想は「百均でなんとかならんかな?」ということだ。
ためしに近所のお店をぶらついてみると、あるある。
木箱もあるし、角材もある。
プラスチックの下敷きはピックガードに使えそうだし、ボンドや水性ニスもちゃんと売ってるじゃないですか。
ということで、できるかぎり百均素材ででっち上げてみたのが以下の代物。
弦だけは楽器屋で購入したが、それ以外の材料費は千円程になっただろうか。
木箱の真ん中を角材が貫通して強度を確保する構造になっているので、サウンドホールは斜めに避けてある。
一応ニス仕上げにしてみたが、音的には塗装前の方がいい感じで乾いていて良かったかもしれない。
ストラップは手持ちのものを装着してある。
指板のフレットは、手持ちのミニギターの中から比較的音程のしっかりしたものをそのまま写し取り、細めの竹ひごを貼り付けてみた。
写真ではギター用の金属弦を張ってあるが、スカスカの百均角材ではさすがに強度的に問題が出た。
音程が定まりにくくなったので、クラシックギター用のナイロン弦に張り替えると、なんとか鳴らして遊ぶくらいはできるようになった。
ボディの木箱は強度に関係しないので、百均で売っているようなもので十分だが、ネックの角材だけはホームセンター等でしっかりしたものを買ったほうが良さそうだ。
三本弦なので、音はギターと三味線の中間のような感じ。
ギターの2、3、4弦をチューニングもそのまま貼ってあるので、「レソシ」のオープンGになっている。
指一本で簡単なコード奏ができるし、ギターのコードもそのまま応用できる。
三味線や三線のチューニングにしてみても面白いかもしれない。
2013年12月20日
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