ここ数ヵ月、糖尿病治療としての糖質制限を提唱している江部康二先生のブログを、巡回先に加えている。
糖尿という病気を通して人体の仕組みと食の関係を解き明かしてくれる、きわめて知的刺激に満ちたブログで、そこで掲げられている以下の基本法則には、個人的にはもう疑問の余地がないと思っている。
<血糖値を上昇させるのは糖質のみ→糖尿病改善・予防にはカロリー制限より糖質制限>
この二日ほどの記事がまた面白かった。
6日の記事には、香川県の小4の1割強、肝機能や脂質異常という報道が紹介されており、7日の記事ではそのお隣の徳島県が、糖尿病の都道府県別ランキングのワーストだったという報道が紹介されている。
香川県はそのなも高き「うどん県」であり、徳島県は鳴門金時や和三盆糖など甘い物好きで知られている県民性が、糖質過多を生んでいるのではないかという考察がなされている。
私は四国在住ではないのでその考察の当否については分からないけれども、記事を読んですぐ思ったのは、関西一円、とくに阪神間は炭水化物過剰に間違いないなということだ。
度々書いてきたが、緩めの糖質制限をやっている。
私の場合は「糖質0」という糖尿病治療レベルではなく、ダイエットのための緩めのレベルなので、炭水化物も控えめの量なら食べる。
だから日常生活で完全に食べられないメニューというものは少ないのだが、一度の食事で「ダブル炭水化物」にならないようには気を付けている。
避けているものを具体的に挙げるなら、「麺類+ご飯」の定食や、「丼+麺類小鉢」のセット、ジャガイモたっぷりのカレーライス、おでんや肉じゃがをおかずにご飯を食べる、ハンバーガーショップでサイドメニューにポテトをつける等だ。
要するに、一度の食事で二種の炭水化物の食べあわせをしないようにしているのだ。
麺類にご飯を追加したものは、関東でもラーメンライス等で存在はするのだろうけれども、なんといっても本場は関西だ。
とくに阪神間では、うどんにおにぎりやいなり寿司を追加するのはごく当たり前だし、ほかにも他所の人の想像を絶する多重炭水化物メニューが多数存在する。
例えば「関西人はお好み焼きをおかずにご飯を食べる」という事実はけっこう知られてきたが、そんなものはほんの序の口。
焼きそば+ご飯の定食や、もっと極端に焼きそばとご飯を鉄板の上で一緒に炒めた「そばめし」、焼きそばをお好み焼きで挟み込んだ「モダン焼き」というものもある。
更に更に驚愕すべきは、モダン焼きにご飯と味噌汁をつけた「モダン定食」なるトリプル炭水化物メニューも、悪い冗談ではなく実在する。
二十代の頃の私は、小柄でさほど太っていなかったにも関わらずけっこうな大食い、早食いだったのだが、さすがに当時の私でも「モダン定食」を食べたあとは腹がパンパンになって、身動きするのが億劫だった覚えがある(笑)
まさに関西は「炭水化物帝国」なのである。
私は地域の食文化それ自体は大切だと思っている。
香川県のうどんや、関西の粉もん等の炭水化物メニューは、それ単体ではずっと残ってほしい。
しかし、うどんも粉もんも、その発祥の時代は今よりずっと食料事情が悪かったはずで、乏しい穀類でうまく腹を満たすためのものだったはずだ。
現状のように炭水化物を二倍三倍とドカ食いするようになったのは、せいぜい戦後数十年のことで、それが結果として多くの人の健康を損ねているならば、何らかの対策は必要になってくるだろう。
少なくとも、酒やタバコ程度には「摂りすぎに注意しましょう」という提案はあってしかるべきではないだろうか。
2014年06月09日
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