blog「縁日草子」を開設してから、早いもので十年に近くなってきている。
開設以前から手をつけていたにも関わらず、語れていないテーマがまだいくつか残っている。
年末年始に古くからの友人やかつての師匠、敬愛する作家の訃報あいつぎ、ふと自分の残り時間のことを考えるようになった。
まだ死を思うほどの年齢ではないが、諸行無常の浮き世である。
明日何が起こるか、それは誰にもわからない。
どれほどあるか分からない残り時間と、できればこの世で形にしておきたい仕事の間で、そろそろ優先順位は作っておいた方が良い。
やりたいことはあれこれあるけれども、もしやりとげれば私の求める「完全燃焼」の感覚が得られそうなものの一つに「マンダラ」がある。
大きなサイズのマンダラをまともに描き上げてみたいという欲望は、はるか昔、自覚的に絵を描き始めた中高生の頃から持っていた。
それから今まで、数えきれないほどのスケッチや資料調べを続けてきて、分かったことがある。
自分が求めているのは、密教法具としての曼荼羅を、作法に従って正確に再現することではない。
いくつかの優れた曼荼羅図像から得た感動とインスピレーションを100号程度のキャンバスにぶつけ、自分のマンダラを築きたいのだ。
このカテゴリ「マンダラ」では、最終的に「それ」を描くために今まで蓄積してきたスケッチや資料調べ、考察について、順次記事にしていきたいと思う。
できることなら一枚でも、まともにぶつかって作品化してみたい。
もし望みがかなわなくとも、前のめりで倒れたいのである。
2015年04月19日
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