いずれ大きなサイズのマンダラに繋げていこうと、仏尊等の習作は描いてきた。
そのうちのいくつかは、このブログでも公開してきた。
アナログ作品について、未発表のものと合わせて紹介しておこう。
まず、胎蔵曼荼羅について。
図像覚書2 中台八葉院
胎蔵曼荼羅の中心部分、中台八葉院。今回の図像はそれぞれの仏尊を梵字で表現した種子曼荼羅(しゅじまんだら)のスタイルを下敷きにしている。
中心が大日如来を表現する阿字で、その上から時計回りに宝幢(ほうとう)如来、普賢菩薩、開敷華王(かいふけおう)如来、文殊菩薩、阿弥陀如来、観音菩薩、天鼓雷音(てんくらいおん)如来、弥勒菩薩を表す梵字が、八枚の蓮弁に乗った形になっている。
図像覚書11 般若菩薩
胎蔵曼荼羅の中心部、中台八葉院の真下に位置する持明院に、左右に忿怒相の明王四体を従えて描かれる。優美な菩薩形だが、衣の肩の部分には甲冑が見えており、三眼六臂の姿は力強さも備えている。
胎蔵曼荼羅を前にする者は、この菩薩の姿を理想としてイメージするよう設定されているようだ。
もう二十年近く前になってしまったが、私が自分なりに仏画を描き始めた最初期の作品である。
当時はPCがまだまだ高価で、性能もさほどではなく、個人がデジタルで画像処理をするには敷居の高い時代だった。この一枚ももちろんアナログで、B4パネルにアクリル絵具で描いている。
下手なりに一生懸命描いている元の作品の雰囲気を壊さない程度に、少しだけ手直ししている。
中台八葉院については、十年ほど前にかなり大きなサイズのドローイングも試作したことがある。
約180cm×180cm、ロールのクラフト紙を継いで作った正方形の用紙に、缶スプレーやペンキ、マジックペンなどを使って、一息に描きあげた。
自分で描いてみたいサイズを体感し、それを目の前に吊って灯明を点してみるということをやってみたくて、とにかくガサッと完成させた一枚である。
2015年05月29日
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