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2015年07月31日

狂気の沙汰、地獄の沙汰

 手元に日本地図のある人は、開いてみてほしい。
 紙の地図でなくとも、ネットの地図サービスでもなんでも構わない。
 できれば実際の衛星写真が見られるGoogle Earthがお勧めだ。
 紀伊半島から四国、九州あたりまでの範囲の地図を用意してみよう。
 とくに和歌山県の紀ノ川から四国の吉野川にかけて、横真一文字にスパッと切り裂いたような、巨大な裂け目の地形がはっきりと見えるはずだ。
 その裂け目の直下を通っているのが、日本最大、世界でも有数の巨大活断層「中央構造線」である。
 西はさらに佐田岬と平行し、九州を横断して続いているとされている。
 当ブログでも、以下のような模式図をアップしたことがある。

eq005.jpg

(クリックすると画像が拡大します)

 現在地震エネルギー蓄積中で、もしこの中央構造線のどこかでエネルギーが解放されれば、壊滅的な被害も予想される。
 ところが上の図でも示してある通り、四国の佐田岬の根本には伊方原発、九州には川内(せんだい)原発が存在してしまっている。
 伊方は中央構造線の直近、川内は延長線上にあり、しかも活動が激化している火山地帯の付近でもある。
 どちらも、そんなところに設置されていること自体がありえない原発だ。
 現在は停止しているのだが、独裁者の狂気により、両原発とも間もなく再稼働が始まる。
 
 これまでの実証により、日本の原発は震度6(7ではない)で何らかの事故を起こす。
 日本上空では大雑把に言うと西から東へ向けて風が吹いている。
 福島の場合は本州の東端に位置していたため、放出された放射能の八割方は太平洋に飛ばされた。
 川内か伊方で深刻な事故が起これば、瀬戸内海も西日本もまともに放射能を被る。
 黒潮と対馬海流が日本の裏表から汚染を拡大する。

 論外、ということがある。
 とにかく川内と伊方は、そこに原発を作ったこと自体が狂気の沙汰なのだから、再稼働の議論などすること自体がありえないのである。

 日本で安全な原発があり得るかという議題であれば、論じる価値がある。
 私個人としては、地震大国であること、国土が狭く人工が密集していることなどの条件から、あり得ないと判断している。
 百歩譲ってあり得るとしても、それは安全対策に膨大なコストのかかる、とても商業的にペイできないものになるであろうとは思っている。
 しかしそのような議論を通じて、原発の本当の安全性とコストについて、知見が広まることは期待できる。

 川内と伊方については、論外としか言いようがない。
 ダメなものはダメなのだ。
posted by 九郎 at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする
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