残念ながら受賞ならず。
ただ、最終選考作品の中には入れてもらえていた模様。
応募総数との割合から考えると、今回のコンテストの「入選」「最終選考」は、それぞれ、通常の展覧会で言うところの「入賞」「入選」に相当する感じか。
今回のコンテストのお題は「小豆洗い」「山の神」「雪女」の中から、一つを選んで造形作品にするというもの。
柳田國男の故郷、福崎町の町おこしイベントで、去年の第一回は「天狗」がテーマになっていたようだ。
知り合いから「こんなコンテストがあるけど九郎(仮名)さん、どう?」と紹介され、中々面白そうだとネタを考え始めたのが夏前。
第一回の応募作を参照する限り、フィギュア造形が主流になっているようだが、わりと幅広い表現も許容してもらえるようなので、参加を決めた。
今回の3テーマから自分が選ぶなら「山の神」だなということは、早々に決まった。
柳田國男の「山の人生」等を再読しながら、想を練る。
元プラモ少年とは言え、素材も器材も技術も進化しまくった現代のフィギュア造形には、正直ついていけてない。
直球勝負はできそうもないので、他の応募者の皆さんが投げられないような変化球でのアプローチを目指すことにした。
自分の土俵と相手の土俵の円が交わる、ごく狭い領域を眺めていると、山の女神の霊が隠った付喪神(つくもがみ)の姿が立ち現れてきた。
以下、応募に使用した情報と、完成写真である。
[作品タイトル]山姫の歌声
[作者名]烏帽子九郎
[作品サイズ]800×180×100mm
[作品の素材]木材
[作品紹介]
山の女神をモチーフにした三弦楽器で、もちろん演奏可能。
楽器としては比較的軽量コンパクトなので、山歩きやキャンプのお供に携帯可能。
半分にたち割った丸太から削り出したボディは、山の風景によく馴染む外観。
つま弾けば山姫の口にあたるサウンドホールから不思議な音色が奏でられる。





我ながら面白い楽器ができてしまった(笑)
亡き水木しげる先生と、母方の祖父の影響は、今も私の内にある。
可愛いです。
しかしこんな面白い企画があったとは。
応募のための写真撮影に山に持っていったら、他の登山客の皆さんにけっこうウケました。
入賞できなかったかわりに手元に置いておけるので、これからあちこちいじって音色や演奏しやすさを煮詰めていきたいと思っています。