繰り返す夢の中には、一種の「続き物」になっているものもある。
ある程度間隔をおいて見る夢なのだが、基本設定が共通していて、少しずつ事態が進行していっているのがわかる、そんな夢だ。
私は夢でいくつかの「連載」を持っているとも表現できる。
例えば一つは、昔住んでいた部屋、あるいは部活の部室を、大家や管理人に隠れて今でも密かに使い続けているという夢だ。
もうやめにしなければとビクビクしながら、それでも手荷物置き場や休憩所として無断使用を続けている。
発覚の危険は徐々に増してきている。
この夢は見る頻度がだんだん少なくなり、フェードアウトしかけながらも細く長く続いてはいる。
もう一つは、中高生あるいは大学生の頃の情景が元になっており、ある特定の曜日の何時間目かをずっとサボり続けているという夢。
このままでは単位がとれず、留年してしまうのに、なんとなくズルズルとサボり続けている。
夢を見るたびに「まずいなあ」と思い、事態は深刻化しているのだが、決定的な結果が出ないままにもう二十年以上断続的に続いている。
私は私立の中高一貫校出身なので、当時から大学生の頃まで留年の危機を度々繰り返していた。
もちろんそんな実体験が反映された夢なのだろう。
夢の中の私は学生なのだが、現在の自分の意識も何割かは混在している。
だからなんとなく「これは夢だ」ということも分かっているのだが、それでも黒々とした不安感はある。
ものの本によると、夢の中で「これは夢だ」と分かっている状態を「明晰夢」と呼ぶそうだ。
私の場合は「明晰」と言えるほどはっきり夢の自覚があることは少ないが、半ば夢の自覚がある場合、色々面白い展開が生まれてくることもある。

2015年12月20日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック