このカテゴリ夢で紹介するものは、ウケ狙いで悪夢や怪夢に傾きがちだが、もちろん楽しい夢も見る。
中でも昔から好きだったのは「空を飛ぶ夢」で、幼児の頃の私はそれを「アトムになる夢」として好んでいた。
夢の中でアニメの鉄腕アトムのように地面を蹴ってジャンプすると、スーッと上昇し、滑空することができた。
さほど長く飛行できるわけではなかったが、飛距離と高度のあるジャンプといった感じだった。
紙飛行機のように不時着し、また地面を踏みきると、わりに自由に飛ぶことができた。
ただ、少しでも「飛べる」ということに疑念が生じると覿面に飛距離は短くなり、そうなると悪循環で、だんだん自信がなくなって最後には全く飛べなくなるパターンが多かった。
かなり高く飛行している時に、急に怖くなって墜落し、地面に激突したドーンという衝撃とともに目覚めることもあった。
こうした飛行夢は今でもよく見る。
長年見ている内に修行が積めてきたようで、飛んでいるときの情景描写はかなり詳細になってきた。
窓枠や屋上の手すりから踏み切って飛び立つときや、飛んでいるときの風の感触、注意深く電線を避けたり、方向転換の時の体の使い方など、リアルな雰囲気になってきたのだ。
飛行夢のキャリアは長いので、夢見る間もなんとなく「これは夢だ」と分かっている。
夢だということをあまり明確に意識しすぎても眠りから覚めてしまうので、なんとなく曖昧な領域に意識をとどめるのが一番楽しめると分かっている。
いつも上手く行くわけではないが、調子の良いときはその微妙なバランスを維持しながら、ある程度思い通りの展開を楽しむことができる。
好調の時に一度、どこまで高く飛べるか試してみたことがある。
どんどん高度を上げると町並みは鳥瞰図から地形図のように変化していき、雲を越え、成層圏(雰囲気としてそのように感じる)あたりまで達する。
印象的な夢だったので鮮明に覚えているが、ここまでできたのはその一度だけだった。
繰り返し見る「空を飛ぶ夢」の中で、けっこう自分が「上達」してきていることに気付いてから、私は夢や眠りのコントロールを試みるようになった。
そうした夢修行については次の機会に譲るとして、次回からまたしばらく怪しい夢の紹介に入りたいと思う。

2015年12月21日
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