通信や電気に関わる技術は、一般に機密要素が多い。
だから専門技師は、業務に使用する特別な工具類を、秘密裏に入手しなければならない義務を負う。
専門技師はまず秘密通信に指定された電柱や植栽に上り、指示書を入手する。
指示書には次に向かうべき電柱や植栽の場所が、暗号で記されている。
専門技師は暗号を解き、次の場所に向かう。
そこでまた暗号指示書を入手する。
このような探索を何度も繰り返さなければならない。
尾行を撒くためである。
そのようにしてやっと専門技師は、業務に必要不可欠の工具類を手に入れることができるのだ。
だから普段から気をつけて電柱などを観察していると、時おり電柱の上で何かを読んでいる作業員を発見することができるはずだ。
