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2016年06月19日

緊急入院顛末記4

 手術から一夜開けた。
 寝たり覚めたりだったが、そこそこは睡眠時間がとれた。
 数日間、腹痛と吐き気でろくに眠れていなかった状態からは、ようやく解放されたことになる。
 朝、手術跡の状態を確認したり、各種検査の結果、酸素吸入は終了。
 繋がった三本のチューブのうち、一本は減った。
 残りは点滴とおしっこの二本。

 徐々に身動きの練習。
 パラマウントベッドの上げ下げの機能に助けられながら、少しずつ身を起こす。
 じっとしているとほとんど苦痛はないのだが、少しでも身動きするとさすがに手術跡に響く。
 とくに身を起こそうとすると、体内からググーッと縫合箇所を圧される感覚があって、「痛い」というより「怖い」感じがする。
 手術内容としては、右下腹部を開腹し、飛び出した腸を戻し、ヘルニアの出入り口を塞ぎ、開腹部を閉じているはずだ。
 またヘルニアが再発したり、手術跡が破れたりしないだろうか?
 どこまで我慢しても大丈夫なのだろうか?
 お医者さんや看護師さんからは「無理のない程度に少しずつ動いて」と言われるが、それがまた難しい。
 性格的に「今日中に立って歩け!」と指示されれば、気合いで達成するタイプなのだが、「無理のないように」とただし書きをつけられると、とたんにどうしていいか分からなくなる。
 看護師さんに「トイレまで行けたらおしっこのチューブは抜けます」と言われたので、とにかくそこまでは行ってみようと、休憩をはさみながら動く。
 色々試しているうちに、ベッドの操作にも慣れてくる。
 動くのはまだ怖かったが、それでも少しずつ動くと、体は楽になってくる。
 一晩身動きひとつできなかったので背中が凝ってしまっていて、じっとしているのはそれはそれで苦痛だったのだ。
 午前中には立ち上がり、午後には病室内のトイレまで、なんとか行けるようになった。

 朝からずっと、お腹の中がギュルギュル騒がしかった。
 ガスはわりとすぐ出てくれて、無事開通。この辺は盲腸などの開腹手術と同じだ。
 夜になると下痢が始まった。
 これは胃腸炎の方だろうとわかっている。
 これまでも、胃腸炎の治りかけのときにひとしきり下痢が出て、快方に向かうパターンがよくあった。
 まだ俊敏に動けないので、紙オムツをつけることにした。
 間に合わないと大変なことになるので、とくに抵抗はない。
 排便のときあまり力まないように言われたので、リハビリも兼ねて回数を分けて「小出し」にした。

 背中が凝って辛かったが、ベッドの操作を習得して多少楽にはなってきた。
 相変わらずものが食べられない(そもそも食欲がわかない)状態が続いていたが、数時間刻みの単位でやっとまとまった睡眠がとれるようになった。
 トイレに行ったり、を見たりしているうちに、二回目の夜は明けていった。
posted by 九郎 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 身体との対話 | 更新情報をチェックする
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