退院翌日から、ぼちぼち仕事に復帰。
入院騒ぎの発端になった胃腸炎発症から一週間あまり、あちこちに迷惑をかけ、フォローしていただいたので、挨拶と経過報告。
普段から人任せにできず、なんでも自分でやらないと気がすまない性分である。
元気な内は何の問題もないが、一旦体調を崩すと、交代が困難な局面がいっぱい出てきてしまう。
周りの皆さんに助けていただいて、なんとか穴を埋めてもらい、まだしばらくは本調子にはほど遠いので、頼る場面も数多いことだろう。
今度ばかりは強情我慢の鼻をいやと言うほどへし折られた。
退院後一週間は、最徐行運転だった。
まだ手術跡の痛みは残っており、内からの腹圧も、外からの荷重もかけられない。
移動にはキャリーカートを使い、ゆっくりゆっくり休みながら出勤する。
立ち時間が長いと手術跡がどんより辛くなってくるので、度々座りながらしのぐ。
食事は抑えた分量をよく噛みながら時間をかけて摂る。
入浴はシャワーのみ。
寝るときもまだ無造作には寝転べない。
普通に仰向けになると、水平方向の手術跡が上下に引っ張られる感じがして、ちょっと怖い。
うつ伏せだともちろん圧迫される。
結局、右下腹部を上にして横向きに寝転ぶのを基本にするしかない。
ちょうど涅槃仏の逆向きである。
自然に寝返りが打てず、風呂でお湯にもつかれないので、肩や腰が少々危うくなってくる。
退院後二週間経つと、さすがにかなり楽になってきた。
手術跡の確認で一度診てもらうと、一応傷口はふさがり、これにて診察は終わりと言うことになった。
入浴時に湯船につかるお許しも出た。
まだ痛みは残っており、キャリーカートの使用や、休み休みの行動は守らなければならないが、日に日に楽にはなってくる。
食事は普通にできるようになってきたが、少食の癖がついてしまって中々体重が戻らない。
そして退院後三週間が過ぎ、そろそろ発症から一ヶ月が過ぎようとしている。
「痛み」はほぼ消え、ずっと気になっていた手術跡のことを、忘れていられる時間もできてきた。
睡眠時に寝返りが自由に打てるようになったので、疲れはとれやすくなった。
それでもまだ「違和感」は残っていて、手術跡が落ち着くまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。
食事量も体重も、まだ元には戻っていない。
この辺りは気長に養生するしかなさそうだ。
ヘルニア(脱腸)の予後についてお医者さんに繰り返し注意されたのは「極力腹圧をかけないこと」だった。
どんなときに腹圧がかかりやすいかと言うと、たとえば以下のような場面だ。
・くしゃみ
・咳
・鼻をかむ
・排便
どの場合もあまり腹圧をかけずにやることは可能なのだが、圧をかけるのが習い性になってしまっている人がいて、そういう人が脱腸になりやすいのだそうだ。
そう言えば、ふと甦ってきた記憶がある。
情景から考えると二十代半ばくらいのことではないかと思う。
くしゃみをした瞬間、お腹の中で何かが「にょろん」と動いたような感じを受けたことが何度かあった。
妙な感覚だったので印象に残っていたのだが、今から思えばあれは腹圧で腸が動いた感覚だったのかもしれない。
だとすると、かなり昔からヘルニア発症へと向かう兆しはあったということかだろうか。
正に後知恵だが、こうして記事に書き留めておく価値はあるだろう。
長々と書いてきた「緊急入院顛末記」、ひとまずこれでおしまいとする。
ヘルニアは現在、出入り口に蓋をされて収まっている状態だが、再発の可能性も無きにしもあらずということなので、引き続き養生は必要だ。
また何かあれば、続きを書いてみたい。
かえすがえす悔やまれるのは、もっと早くヘルニア治療をしておくべきだったということ。
手術の負担が軽ければ、術後の負担ももっと軽くすんだはずだ。
脱腸は、話題に上らないだけでけっこう多い病気らしい。
己の馬鹿さ加減を長々と晒してきたが、何らかの参考にしていただければ幸いです。
2016年06月29日
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