三か月前、鼠径ヘルニアをこじらせ、緊急入院、緊急手術をした。
これまでの経緯のまとめはこちら。
体調、体重ともに、ほぼ原状に回復した。
この夏の、かなり続いた酷暑も乗り切り、少々旅行なども楽しんだ。
手術跡はかなり落ち着いた。
退院直後はかなりデコボコして引きつれていた傷跡が、だいぶすっきりした。
たまに「じんわり」と跡の存在を感じることもあるが、日常生活はほぼ気にせず送れている。
ただ、調子にのって無理をしないよう、気を付けてはいる。
まあ、三時間半の開腹手術を受けたのだから、それなりのダメージは覚悟している。
全身麻酔を受けるとそれだけで寿命が縮むという話もあるし、腹を開いて一週間近く入院し、何もかも以前のままとはいかないだろう。
それでも、医療の整わない時代だったら死んでいたかもしれないレベルの重症である。
そこそこ元気になれただけでも、ありがたいと思わなければならない。
加入している生命保険の入院給付金で、医療費+αはまかなえた。
給付金の請求書類を読んでいると、「鼠径ヘルニア根治治療」という項目がちゃんとあった。
保険会社の担当の人に聞くと、やはり請求内容の中でもよくある病気らしい。
症例としてはかなり多いのだが、下腹部あたりが患部になるので話題に上りにくく、「知名度」が低いのが鼠径ヘルニアなのだ。
入院騒ぎをネタにした雑談をしていると、「実は私も」とか「知り合いがそんなことを言っていた」という感じで、ポコッと出た軽症のヘルニアを手で押し戻した体験談が返ってくることがけっこうあった。
「それ、たびたび飛び出すようなら、一回診てもらった方がいいですよ」
私はもちろん、そのように勧めた。
ヘルニアは、軽傷で済んでいるうちは日常生活にさして支障もないので放置しがちだ。
しかし、何かのはずみで重症化すると、本当に地獄を見る。
それは明日かもしれないのだ。
軽症のうちに対処していれば日帰りでもOKの場合があるのに、ずるずる先送りにして死にかけるバカもいる。
私のことだ。
バカを眺めて我がふりを直していただくために、この一連のヘルニア記事を書いている。
治療を受けて、手術前より体調が良くなった面もあるようだ。
以前はよく腹痛を起こしていたが、その頻度が減ったような気がする。
あと、ここ数年は夜間に一回はトイレに起きることが多かったのが、だいたい朝まで持つようになった。
どちらも「年寄りってほどでもないけど、おれももう若くないからな」と、年齢のせいにして簡単に片づけていたが、もしかしたらヘルニアと関係があったのかもしれない。
胃腸があるべき位置からずれて、あちこち圧迫していたんだろうなと、今は思う。
無病息災は理想だが、「一病息災」という言葉もある。
自分の身体からは逃げられない。
なるべく身体の出すサインを見逃さず、折り合いをつけながら付き合っていくしかない。
2016年08月30日
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