2016年09月18日

「シン・ゴジラ」リペイント1

 絵描きなりの模型製作手順として、まずは感情移入。

 今回のゴジラは、段階的に形態変化をする。
 初登場のシーンでは海上、海中で動き回る巨大な「尻尾」だけだった。
 作品内の設定では、この段階はまだ全く正体不明である。
 尻尾であることはもちろん、巨大生物であるかどうかすら確定していない。
 イメージ的には、クラーケンやリバイアサンなど伝説上の怪物や、ネッシーなどのUMA目撃情報程度の描き方で、もちろん演出上、そのように作ってあるのだろう。
 ここまでが「第一形態」にあたる。

 次に、初上陸したときの「第二形態」が登場する。
 画面の中ではじめて巨大生物の全体像が現れるのだが、ここで一旦「肩透かし」がある。
 この形態では直立することができず、芋虫のようにもがきながら蠕動する姿なのだ。
 これはおそらく、打ち上げられたラブカやリュウグウノツカイなどの深海生物の姿がイメージソースになっているのではないだろうか。
 私たちの中の「ゴジラ」のイメージとは程遠い、巨大ではあるけれども、哀れで、滑稽ですらある姿である。
 第一形態の時にあった「正体不明の不気味さ」は消し飛び、「デカいことはデカいけど、これだったら何とかなるんじゃないか?」という、ある種の侮りが、作中の登場人物や、映画の観客の中に芽生える。
 この形態は、ソフトビニールフィギュアで発売されている。




 続いて第三形態である。
 第二形態の「打ち上げられてもがき苦しむ巨大深海生物」が、突如後ろ足で直立する。
「ウゲ! 進化するんかい!」
 という驚きが、作中登場人物と観客の中に不安の種を植え付ける。
 この形態のまま、巨大生物は多大な被害を残しながらも海へ帰り、一旦は事態が収束する。
 巨大生物は姿を消したものの、「どうやら進化するらしい」という不安の種は、作中登場人物と観客の中で育ち続ける。
 この形態もソフビフィギュアで発売されている。



 
 そしてしばらくの「溜め」の後、ついに登場したのが今回の「シン・ゴジラ」の形態だ。
 のどかな海辺の風景の中を、静かな悪夢のように、それはそそり立っている。
 私たちの持つ「ゴジラ」のイメージを、さらに恐ろしく凶悪にパワーアップした姿である。
 この形態で都市部を動き回られるだけでも十分に絶望的なのだが、作中ではさらにもう一段奥の「真の絶望」が用意されているところが凄まじい。
 私が一番感情移入できるのは、最後の「力の解放の姿」ではなく、それ以前の「マグマのような破壊の力を溜め込んだ姿」だ。
 フィギュアの塗り直しも、その段階のイメージを元に進める。
 
 候補として挙げられるソフビフィギュアは以下の二つ。


●ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2016(バンダイ)
 手ごろなサイズ、値段で、映画の3Dデータも使用しているであろう形状は完璧。
 ただ、手彩色の箇所が少ないので「完成品」としての満足感は少し足りないかもしれない。
 amazonでは何故か高めの値段が付いているが、今なら量販店等で2000円程度の定価で購入可能だろう。
 自分で彩色するための素材としては、コスパが高い。
 彩色には多少個体差があるので、完成品としてならネット購入より店頭で納得するものを選んだ方がいい。


●ゴジラ 怪獣王シリーズ ゴジラ2016(バンダイ)
 やや尻尾が短く感じられるが、かなり大きく迫力があるので、さほど気にならない。
 自分で彩色せず「完成品」として買うなら、このモデルが満足感があると思う。
 こちらもamazonでは高めの値段になっているが、4000円程度が定価のようだ。


 あくまで「自分で塗る」ことが目的の私は、もちろん2000円の方を購入。
 80〜90年代であれば1000円程度のプラモで出ていたと思うのだが、残念ながら今は2010年代。
 自分で造って塗る模型の時代はとうに過ぎ、やや高めの彩色済み完成品フィギュアをコレクションする時代だ。
(つづく)
posted by 九郎 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする
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