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2016年09月22日

加筆再掲;プラモデルの思い出

2009年の記事から加筆再掲
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 以前荷物整理をしていたら、むか〜し作ったプラモデルが出てきた。
 日本のTV特撮番組の先駆け「ウルトラQ」の怪獣「ガラモン」だ。

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 全高12cm弱で、固定ポーズ。
 放映当時のレトロ玩具ではなく、80年代になってから発売されたバンダイのThe特撮collectionシリーズなので、造りはリアルな感じだ。

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 最近のプラモデルははめ込み式がほとんどだが、当時のものは自分で丁寧に接着剤を塗って組み上げなければならなかった。ガラモンの上半身一帯を覆う突起物は、一つ一つ全て別パーツ!
 かなりの難行苦行だった覚えがあるが、それでも「ちょっと少な目」な感じがする。今記事を書いていて「プラモ二個買って、刺二倍にしたらちょうどだな」と思いながら作っていたことを思い出した。
 そう言えば発売当時、「箱を開けた瞬間に作る気をなくすプラモ」という噂もあったような……



 定価は数百円だったはずで、私は結構気に入っているのだが、前述のごとくの組みにくさの上、元になった着ぐるみにもあまり似ておらず、評判は悪いようだ。
 プレミア価格で手を出すほどのものではない。


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 最近のフィギュアは塗装済みが主流だが、この頃のプラモはまだ成型色のままで、色は自分で塗らなければならなかった。
 このガラモンは、確かミルクチョコみたいな茶色の成型色一色だった。
 塗装にあたっては、最初に全体をつや消しブラックのスプレーを吹き、乾燥後に少しずつドライブラシで色味を入れていったはずだ。
 ドライブラシというのは、毛を短く切った古い筆に少量の塗料をつけ、半ば乾燥させながらこするように着色していく技法で、小さな凸凹をより大きく見せる効果がある。
 つや消し黒からスタートするのは、いわゆる「黒立ち上げ」と呼ばれる技法と同じ発想だ。
 小サイズの模型でも立体感が強調されてリアルな感じが出しやすいという効果がある。
 今だったら、手足にもう少しだけ色味を加えるだろう。

 前の記事のシン・ゴジラも同じ塗り方の応用だ。
 最深層にオレンジレッドを使っているのだけが違いで、その上からは同じように「黒立ち上げ」っぽく重ねている。

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 私の世代はガンプラブーム直撃なので、こうした技術を普通に子供時代に修得している人がけっこういて、「石を投げればモデラーにあたる」状態だ。
 戦闘民族サイヤ人ならぬ、プラモ民族ガンプラ世代なのだ。
 私などは下級戦士に過ぎないが、今現在模型やフィギュアの商品開発をしている人の中には、おそらく私たちの世代のプラモ・エリート、スーパーサイヤ人みたいな人ががたくさんいるのだろう。
 エリートの皆さんの活躍で、わざわざ工作技術を駆使したり塗ったりしなくても、代金さえ払えば誰でも質の良い模型が手に入るようになった。
 しかし「造る技術」が要らなくなったこの状況では、我々ガンプラ世代のような特殊民族は、二度と生まれないことだろう……
 こんなところも、己の戦闘力の向上にしか関心を持たず、結局滅びてしまったサイヤ人そっくりだ。
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする
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