世間はクリスマスイブか。
まあクリスマスカラーの「赤」つながりということで、強引にこの記事(笑)
80年代初頭に少年期を過ごした者の心に刻印されたキーワード。
それは、「シャア専用」!
何らかのアイテムを購入しようとしたとき、いつもよぎるのは「赤いバージョンは無いのか?」という甘美な誘惑。
しかし、実際買うとなるとやはり成人男性の日用品に「赤」の敷居は高く、無難にブラックやシルバー等を選んでしまい、揺れ動く心(笑)
それでもおっさんになってからガンプラ復帰すると、やっぱり作りたくなるのはシャア専用機からだ。
おっさんが日常生活で使うアイテムに「赤」は馴染まなくとも、一人密かに作って楽しむプラモなら、安心してシャア専用に手を伸ばせる。
さっそく基本中の基本、300円のシャアザクは作ってみた。
次にシャア専用機を作るなら、順番から言えばズゴック。
これも昔のプラモが、かわらぬ定価300円で今でも買える。(タイミング次第ではアマゾンのリンクで高値がついている場合もあるが、真に受けないように!)
成型色はシャア専用機の薄い方の色、ピンク一色である。
どうせ全塗装にするなら、造形的には同一で、成型色が暗めのグレーの量産型ズゴックの方が、何かと工作しやすいという考え方もある。
実は私も今回は、量産型を塗り替えてシャア専用にした。
前回制作したシャアザクは、アニメの配色をリスペクトして「薄ピンクと小豆色」を基本に、彩度を落として塗装した。
今回はちょっと趣向を変え、メカニックデザイン担当の大河原邦男が、映画版用に描いたポスターの配色、塗り方を参考にしてみる方針を立てる。
大河原ポスターの中のシャア専用機は、「赤い彗星」の異名通りの「真っ赤」に塗られていたのだ。
アニメの中のシャア専用機がなぜ「赤」ではなく「薄ピンクと小豆色」であるかということは、前回のシャアザクの記事中で少し考察している。
大河原邦男がポスターイラストで「ピンク」を避けた理由も、絵描き目線で見るとなんとなくわかる気がする。
ピンクとか肌色等の薄い褐色は、混色して作ったときの発色や、印刷した時の再現性が、けっこう難しいのだ。
動きの無いポスターでリアルなカッコ良さを出すなら、赤みを強くした方がベターだというのは、順当な判断だと感じる。
で、今回はズゴックを映画版三部作のパートU「哀・戦士編」のポスター風に、筆跡活かしで真っ赤に塗ってみた。
かつてのガンプラ少年ならこの説明で「ああ、あの爪が四本あるズゴックね」と分かってもらえると思うが、よくわからない場合は「ガンダム 哀戦士 ポスター」で画像検索。
例によって旧キット素組み、黒立ち上げのアクリルガッシュ筆塗りである。
こういう冒険、実験ができるのも、300円の旧キットならでは。
爪は三本のままで失礼。
いい感じで茹で上がり、爪あたりが美味そうな感じ。
旧キットは「仰ぎ見るアングル」で大方の造形的な欠点は消えてくれる。
とは言え、このズゴックは当時から出来が良いので有名だった。
可動は時代なりだが、バランスが良いのでこんなポーズも取れた。
何年か前に気の迷いで買ってしまった新キット、HGUCシャア専用ズゴックと並べると、こんな感じ。
はいはい、カッコいい、カッコいい。
新キットがカッコ良くて、よく動いて、素組みで塗装なしでも色分けOKなのは知ってますって!
GMのどてっぱらをぶち抜いたあのポーズもできるし、初期のHGUCだったらさほど値段も高くないし、堅気の衆はまあこっちを買いましょうね。
ちなみに1/144ズゴックは、さらに上位バージョンのRG(リアルグレード)も発売済み。
でもね、私が欲しいのは「素組でカッコいい可動フィギュア」じゃないのです。
遠い遠いあの頃、ズゴックの立体がこの世に存在しない状態から、子供でも買える300円、子供でも作れるシンプルなパーツ割りという制約の中、これだけの造形物が世に送り出されたことに改めて感動したいのです。
だから年若いガンプラファンが、様々に技術が発達し、価格の制約も外れた状態で発売された新キットと比較して、旧キットの欠点を色々あげつらうのを見かけると、本当に腹立ちます。
残念ながらそういうワカゾーには、「物作り」の何たるかがわかる日は来ないでしょう。
ひとつ、またひとつと、おっさんの心のリハビリは続く……
この他のプラモ・フィギュア作例については、以下のまとめ記事を参照!
プラモ・フィギュア作例まとめ
2016年12月24日
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