このカテゴリでは、最終的に夢枕獏「キマイラ」作中に登場する架空の「外法曼陀羅」を、実際に私が描いてしまうことを目標に、資料整理もかねて作品紹介などを書き綴っている。
夢枕獏の代表作にして生涯小説、「キマイラ・シリーズ」は、現在ソノラマノベルズで新刊が刊行される体制になっており、角川文庫でも後を追う形で刊行が進んでいる。
ソノラマノベルズ版の1巻から8巻までは旧ソノラマ文庫版二巻分を一冊に編集してあり、9巻以降は一巻分が溜まるごとに順次新刊が出ている。
今回はソノラマノベルズ版を軸に、関連書も含めて「外法曼陀羅」を描くための記述などを覚書にしておきたいと思う。
●「キマイラ1」
【幻獣少年】
【朧変】
●「キマイラ2」
【餓狼変】・輪(チャクラ)についての描写。
【魔王変】
●「キマイラ3」
【菩薩変】
【如来変】・ソーマについての描写。
●「キマイラ4」
【涅槃変】
【鳳凰変】・ソーマについての描写。
●「キマイラ5」
【狂仏変】・ソーマについての解説。
【独覚変】
●「キマイラ6」最重要巻!
【胎蔵変】
・不死の霊水アムリタ創世神話。
・ラマ教のマンダラについての描写。
・カルサナク寺院、外法曼陀羅についての核心描写。
【金剛変】
・久鬼玄造と宇奈月典善の会話。(鬼骨の秘密に近い場所)
・久鬼玄造の手による外法絵写本(軸)の描写。
●「キマイラ7」
【梵天変】
【縁生変】・外法絵巻物に関する描写。
●「キマイラ8」
【群狼変】
【昇月変】
●「キマイラ9 玄象変」
・外法絵巻物についての描写。
・能海寛の日記、「黄金の天使」の描写。
●「キマイラ10 鬼骨変」
・キマイラ化した久鬼麗一の描写。多面多臂の明王に似た姿。
・チャクラ、とくに九番目のソーマチャクラまとめ。
・黄金の獣と化す巫炎。
●「キマイラ11 明王変」重要巻!
・中国古代遺跡の描写。
・火竜尊師マータヴァの説法。第十のアイヤッパンチャクラの描写。
●「キマイラ12 曼陀羅変」
年明け刊行予定の最新刊。
本編の刊行状況は、以上である。
以下は関連書。
●「闇狩り師 崑崙の王《新装版》」(トクマ・ノベルズ)
●「キマイラ青龍変〈別巻〉」 (ソノラマノベルス)
キマイラシリーズの登場人物が活躍する、外伝的作品。
●「半獣神」
夢枕獏の初期作品集だが、冒頭に「キマイラ神話変」という短編が収録されている。
30年以上書き続けられている「キマイラ」なので、それぞれの巻の執筆時の時代背景も反映され、描き方、アプローチはじわじわ変化してきている。
もし「キマイラ」が書きはじめられた80年代当時の作風のまま進んでいたとしたら、この「神話変」に近い雰囲気のラストに至ったのではないかと思う。
世界が丸ごとキマイラ化してしまったようなダークな風景は、「外法曼陀羅」を描くにあたって、繰り返し読む価値があると感じる。
●「蒼黒いけもの―岩村賢治詩集」
「キマイラ」作中に登場する「自由人の岩さん」の詩集。
本編のハードな伝奇描写と共に、こうした詩の世界があってこそのキマイラだ。
(記事中のメモは順次加筆していく)
2016年12月25日
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