昨年2016年の12月9日は夏目漱石の没後100年ということで、「夢十夜」が話題にのぼるシーンを度々TV等で見かけた。
有名な「第一夜」のラストシーン、「百年はもう来ていたんだな」という独白にちなんでの取り上げ方だった。
私は幼いころから独自に夢の探求を続けてきたので、他人の夢についても興味があり、夢をテーマにした作品は色々渉猟してきた。
中でも夏目漱石の「夢十夜」は大好きな作品で、これまで何度となく読み返してきた。
とくに第一夜は個人的に「最も美しい小説」だと感じていて、長年その評価は変わっていない。
夏目漱石は没後100年なので、著作権は既に失効しており、その作品の多くはネットでも無料公開されている。
青空文庫「夢十夜」
kindle無料本もある。
今読むと、十夜の夢それぞれの仕上げ方には違いを感じる。
見た夢をそのまま記録したような作品もあれば、かなり推敲を重ねたと思しき作品もある。
第一夜は何度も手を入れて仕上げているのではないかと感じるが、本当のところは漱石本人にしかわからないだろう。
夢では見ていないものもあるかもしれない。
夢はメモに残した時点で多かれ少なかれ作品化されているものだ。
原稿段階の加工の度合いの大小は、作品の良し悪しとはあまり関係がない。
加工した方が良い夢もあれば、メモ書きそのままの方が雰囲気が伝わる夢もある。
この作品は多くの絵描きの創作意欲を刺激する作品でもあるようで、視覚化の試みも数多い。
私もハシクレとは言え絵描きなので、ずっと「夢十夜」は気になっていた。
また久々に読み返してみよう。
2017年01月04日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック