70年代〜80年代に一個100円で売られていた「メカ・コレクション」というシリーズで、小学生の頃、好きでよく作っていた覚えがある。
初めて「プラモに色を塗る」ということに目覚めたのも、確かその頃だった。
当時の安い価格帯のプラモは成型色一色で、たとえばヤマトなら、キットのままではグレー一色だった。
船体の下半分を赤く塗ること、いくらムラだらけはみ出しだらけでも素組み状態よりはるかにヤマトらしく見え、子供心に感動に打ち震えた(笑)
今でもプラモを作っているのは、あの喜びの瞬間の余韻からといっても過言ではない。
今回発見したのは、値札から判断して、たぶん90年代くらいに再販されたものだ。
実家近くの懐かしのプラモ屋の名前が入った値札には「¥200」と表記されている。
さすがにそのころには一個100円ではなくなっていたのだ。
もうずっと以前に閉店してしまったプラモ屋を思い出しながら、しばしノスタルジックな気分に浸った。
この「メカ・コレクション」シリーズは、低価格、小サイズながら、非常に出来が良かったので、幅広い年齢層に人気があった。
それまでのいかにもオモチャ然としたプラモとは一線を画し、リアルメカアニメの始祖である「宇宙戦艦ヤマト」作中のイメージそのままに、中高生以上のファンの審美眼にも十分耐えるレベルの造形がなされていた。
全30種類、TV版の「ヤマトV」までのメカが網羅されていて、スケールはバラバラだが、数を集めると各星系の宇宙艦隊の雰囲気が再現できるのが素晴らしかった。
今でも何年かに一回は再版されているようなので、さほどプレミアのつくようなプラモではない。
全三十種のセット販売もあるようだ。
●「宇宙戦艦ヤマト メカコレクション コンプリートBOX 全30種セット」バンダイ
今はアニメの「宇宙戦艦ヤマト」自体がリメイクされ、それに合わせて現代の技術で造形や色分けを大幅に改良したプラモも新発売されている。
もちろん価格は上がっているが、塗装や組み立て、改造の手間を考えるなら、そうした新キットを買った方が良いかもしれない。
私は基本的に「旧キットしばり」の偏屈プラモ趣味なので、古い方を選ぶ(笑)
今回、未組立で発見したのは以下の四種。
・デスラー戦闘空母
・アンドロメダ
・新型デスラー艦
・二連三段空母
私がヤマトのプラモにハマっていたのは、せいぜい80年頃まで。
それ以降はガンプラブームが始まり、ヤマトからは「卒業」していた。
90年代に入ってから再販品をわざわざ購入した理由は、よく覚えていない。
子供の頃に作った覚えがないものばかりなので、おそらく「小学生の頃の作り残し」を、いずれ組もうと思って確保しておいたのではないかと思われる。
買うだけ買ってそのまま組む機会を失っていたのだろう。
同時期に買ったと思しき「コスモゼロ」だけは、軽く組んで塗ったものが現存している。
以前投稿した記事には「中高生の頃作った?」と書いていたが、今回もう少し後だと思い出した。
私は、プラモは組み立ててこそプラモだと思っている。
未開封のコレクションには全く興味がないので、今現在積んでいるプラモも、あくまで作ることを前提としている。
発掘してみたものの、ヤマトのプラモは私の中では一応「卒業」済み。
今のタイミングを逃すと、もう一生作らないかもしれない。
蛮勇をふるい、まずはざっくり素組みしてみた。
ここから今の私のスタイルの「アクリルガッシュ筆塗り」で、どこまでできるか試してみよう。
アニメ「宇宙戦艦ヤマト」について、実は昔から少々「葛藤」を抱えていた。
大げさに言うと「愛と憎しみのヤマト」みたいな複雑な感情があり、それが解消されたのはごく最近のことだ。
このことは最近気になっている「サブカルチャーと戦争表現」とも絡むテーマなので、ぼちぼち作例を挙げながら、あれこれ語ってみたいと思う。
まず一発目、コスモゼロのリペイントを紹介して、開会の辞としたい。
●「メカコレクションNO.21 コスモゼロ」バンダイ
昔一応完成させ、一通り着色していたものをリペイント。
今の眼で見ても、造形は本当に良い。
昔のプラモは箱絵だけカッコいい「箱絵詐欺」が多かったのだが、このプラモは中身のキットの方がシャープでカッコいい。
ただ、全長10cmのミニサイズなので、塗り分けは非常に難しい。
老眼の始まったおっさん世代には、同じサイズでも色分けされているリメイク版の方が良いかもしれない……
●「メカコレクション宇宙戦艦ヤマト2199 コスモゼロ」
(続く)