今月も80年代初頭、ガンプラブーム当時に発売された旧キットの作例紹介。
今日のお題は1/144リックドム。
アニメ「機動戦士ガンダム」は、スペースコロニーから始まり、地球圏に舞台を移した後、再び宇宙へ戦場へと帰還する。
地球圏では砂漠地帯や密林地帯に特化したMSを開発したジオンは、本来の用途である宇宙戦用のMS開発にも余念がなかった。
劇場版では第三作にあたる宇宙編では、ザク以降に開発された様々なMS、MAがガンダムを苦戦させる。
●1/144 MS-09R リック・ドム
1/144シリーズの中では高い部類の定価500円。
このキットも次期さえ良ければ今でも昔のままのお値段で購入可能だ。
今考えると安いよなあ。。。
トリプルドム作っても1500円だぜ。。。
ドムのプラモについては先に1/100スケールが発売され、そのままスケールダウンしたものがこの「リックドム」として発売されるという順番だったはずだ。
ガンダムを苦戦させた「黒い三連星」の乗機として人気があったが、売れ筋の1/144スケールではけっこう待たされた覚えがある。
一応「ドム」は地上戦用のホバークラフト機、「リックドム」はそれを宇宙戦用に改良したものという設定の違いはあるが、形状の変更点はとくに無いようだ。
プラモを作った本人が「これはドム」とか「これはリックドム」と言いきってしまえば、それでOKになるはず(笑)
まずは素組み。
成型色は1/144スケールとしては珍しく黒と薄紫の二色。
ドムのキットは1/100、1/144ともに、発売当時から「これはもうドム以外の何物でもない!」と評判だった秀作キットである。
今の眼で見ればスタイルも可動範囲も色分けもあれこれ注文を付けたくなるのは分かるが、それは野暮と言うもの。
そういうのが欲しければ現行のHGUC版を買えばよい。
●HGUC 1/144 MS-09 ドム/MS-09R リック・ドム
わざわざ旧キットを選ぶなら、なるべくプレーンな状態を味わいながら組み、自分好みに塗るのが良い。
旧キットなりのパーツの合いの悪さはあるので、パテを使った合わせ目消しは必須。
接着剤で溶着し、サンドペーパー等を使って面を出し、磨き上げる基本工作自体を楽しむのが旧キット趣味だ。
今回、一点だけ改造したのは右手首。
市販の関節パーツでボールジョイント化することで、「バズーカを右手で小脇に抱える」ポーズが取れるようになる。
素組みだと、主武器のジャイアントバズーカを前に捧げ持つようにしかできず、あまりポーズが決まらないのだ。
小学生の頃「HOW TO BUILD GUNDAM」の作例で見た「小脇抱え」のポーズにどれだけ憧れたことか。
代名詞のポーズが取れないとは言え、このリックドム、発売当時は「かなり動く」キットとして知られていた。
スカートが広いので股関節の自由度が高く、腕も背中のヒートサーベルを引き抜くポーズがとれるので、旧キットの中ではかなり可動が優秀だったのだ。
なるべくキットの素性を活かすなら、前述の右手首と、あとは足首関節をボールジョイント化するのが良いだろう。
股関節の開脚可動に対応した接地と、つま先を外側に開くことが可能になるので、仁王立ちが決まるようになる。
私はとりあえず右手首だけで満足。
塗装はいつも通り、つや消しブラックからのアクリルガッシュ筆塗り。
ドムと言えば「黒」のイメージが強い。
なにせ「黒い三連星」の異名をとる小隊向けに実戦配備されたのが初出なので、これは当然だ。
しかし、アニメ設定の配色を見ると、言うほど黒くはない。
頭部や肩アーマー、スカート部分などは黒だが、手足や「ベルト」部分は薄紫で、表面積の上では「真っ黒」の割合は意外に少ない。
アニメ作中で「格闘戦」を見せる際、本当に全身真っ黒だと動きのある画面の中で判別できないせいだろう。
全体的には「黒」をイメージさせながらも、手足の部分は動きの分かりやすい明るめの配色だったからこそ、あの「ジェットストリームアタック」の名シーンが生まれたのだ。
プラモで作る際、アニメ設定にこだわらず「リアルさ」に軸足を置くなら、薄紫の箇所は思案のしどころになる。
懐かしの「HOW TO BUILD GUNDAM」の作例では、グレー系の色に置き換えられていた覚えがある。
ドイツ軍の戦車みたいでカッコよかった。
今回の作例では、アニメ設定に準拠しつつ、かなり彩度を落として塗ってみた。
ヒートサーベルは二本付属しているので、背中に装着した時の暗色と、手に構えた時の黄色の両方が再現できる。
右手はサーベルの持てる握り手と、ジャイアントバズーカと一体になった握り手の二種類が付属。
交換も可能だ。
旧ザクからザク、グフ、ドムと並べてみると、デザインからちゃんと強そうになっていくのが分かる。
こういう整合性が、やっぱり大事なのだ。
私はブーム当時の小学生時代、ドムは作ったことがなかった。
欲しかったのだが、とくに1/144スケールは人気で手に入らなかった。
品薄感が緩和された時にはもう、ブームは去っており、私も他のリアルロボットアニメに興味が移っていたので、結局作らずじまいだったのだ。
子供の頃のやり残しが一つ解消されたようで、しかもかなり出来の良いキットだったので、本当に楽しかった。
2017年06月26日
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