ジオンの宇宙用最終量産MS、ゲルググである。
基本性能は連邦のエース機、ガンダムと同等を誇ると言われ、ビーム兵器を標準装備したジオン初の量産MSでもある。
実戦配備がもう少し早ければ、一年戦争終盤の戦局を打開できたかもしれないという設定の高性能機だ。
当時から人気が高く、ブーム時に1/144、1/100、1/60の3スケールで単品発売されたのは、ガンダムとザク、ドム、そしてこのゲルググだけだ。
今回はコレクションサイズの1/144を制作。
●1/144 MS-14A 量産型ゲルググ
定価はシリーズの中ではちょっとお高めの500円。
例によって、タイミングさえ合えば昔と同じ値段で買える。
80年代初頭、私は確かこの「量産型ゲルググ」のキットは作ったことがないはずで、今回初。
とは言え、成型色違いの「シャア専用ゲルググ」は作ったはずなので、全くの初組みでもない。
●1/144 MS-14S シャア専用ゲルググ
まずは素組み。
このダークグレイの成型色は嫌いではない。
私のように全塗装前提なら、シャア専用を作る場合もこちらの量産型から塗った方が良いともいえる。
特徴的なデザインを再現するため、パーツ割りや可動の仕組みに苦心のあとが見える。
腰の回転、上半身下半身の分離が可能なのは、塗装に便利だ。
肘関節はボールジョイントになっていて、手首は差し替え可能。
ただ、こうした構造の新規の工夫が、結果としてキットの欠点になってしまっている感もある。
ボールジョイントは前に紹介したアッガイでも採用されていたが、プラ素材の貼りあわせでこの仕組みを作っても、すぐ摩耗してしまう。
あちこち動かしているうちに関節がすぐブラブラになってしまうのだ。
腰の回転軸も精度が今一つで、気持ちよく位置が決まらない。
正直、量産型ゲルググにさほどの思い入れは無いので、今回肘と腰は適当な角度で接着固定してしまった。
あと、これは金型の経年劣化ではないかと思うのだが、左足向う脛のあたりに、かなりひどいパーツの不整合ができるので、素組みでもパテ埋めと面出しは必須だ。
そしてもう一点、何らかの改造が必須になるのが、右手首と一体成型のビームライフルだ。
キットのままビームライフル付きの右手首を差し込むと、どうしても細いストック(?)が右腕と干渉してしまう。
ライフルを持たせるにはこの細い箇所を微妙に弯曲させて無理に持たせるしかないので、非常にあやうい。
旧キットLOVEの私はあまりこの言葉を口にしたくないのだが、これはちょっと「設計ミス」レベルではないかと言わざるを得ない。
そう言えばこの箇所、小学生の頃折ってしまった記憶がよみがえってきた。
ちょっと時空を超えてテレパシーを送っておこう。
お〜〜〜〜い、昔の俺!
おまえは別に悪くないで!
そこ、設計ミスやから!
これでよし。
今頃小学生の私は心が軽くなっていることだろう。
アホな歴史改変妄想はさておき、今の私は大人なので、ここは何とかしないといけない。
あまり手間はかけたくないので手首の差し込み軸の角度を変更し、ちょっと斜めにビームライフルを持てるようにした。
これならストックの箇所は右腕内側に逸れるので干渉しなくなる。
やり出すとキリがないのが改造の陥穽。
このゲルググ、気にし出すと色々目に付く。
腹の部分の円形コクピットハッチのモールドが浅くて、塗装すると消えてしまうので、市販の「丸モールド」から適当な大きさのものを選んで貼り付ける。
頭部合わせ目消しをすると、「鼻の穴」と「額の二本線」が消えてしまうが、これはまあ、わざわざ彫り直したりせず塗りで何とかしよう。
背中にあるナギナタとシールドの固定穴の精度が今一つ。
面倒なのでナギナタを持たせるのは諦め、束の部分は背中に固定。
う〜ん。。。
言いたくないけどこのキット、素組みがあまり楽しくないかも。。。
昔から言われていたことだけど、形状もパッとしないし。。。
いつもよりモチベーションが上がらぬまま、なんとか全塗装。
とにかく完成して一安心。
ほぼ同じキットで「シャア専用ゲルググ」を組む意欲がわかなくなったので、シャアゲルはいずれ手を付ける以下のMSVキットの折に完成させることにします。
●1/144 MSVモビルスーツバリエーション ゲルググ14B(MSVモビルスーツバリエーション)
2017年06月27日
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