今日のお題はジオン軍最終モビルスーツ、ジオング。
ジオンMSの究極であるとともに、サイコミュ機能搭載のMA(モビルアーマー)の要素もあわせ持つ巨大MSである。
名前に「ジオン」と読み込んであるのは、最終兵器としての期待が込められているのだろう。
サイコミュとは、複数の「子機」をパイロットの脳波で遠隔操作する機能で、多方向から同時に狙撃する「オールレンジ攻撃」を可能とする。
高度な空間認識能力と精神力が求められるため、使いこなせるパイロットは極少数の「ニュータイプ」に限られる。
有線タイプと無線タイプがあり、無線タイプの方がより高機能だが、アニメ「ガンダム」第一作作中で使いこなせたのは「エルメスのララァ」だけだった。
有線タイプとしてはMAのブラウ・ブロ、MSのジオングが登場し、「スペックは劣るが信頼性は高い」という扱いだったと記憶している。
ジオングの場合は両手と頭部が胴体から分離し、オールレンジ攻撃を行う。
●1/144 ジオン軍最終型モビルスーツ ジオング
1/144スケールのMS単体としては最高値の600円で、他に同じ定価のキットはガンタンクとゾックだけだった。
このジオング、ラスボスMSであるにもかかわらず、発売時期は意外に早い。
1/144スケールではガンダム、ザク、グフ、ズゴックに続いての発売なので、ごく初期のガンプラということになる。
そもそもガンプラの発売自体がTVの本放送終了後で、ブームが勃発したのは劇場版第一作の公開と同時期くらいだ。
作中MSは全部出揃ってからのプラモ開発なので、順当に「人気順」で発売されたのだろう。
永遠のライバル・シャアの一年戦争最後の乗機で、主役機のガンダムと相討ちになった印象は強烈だった。
初期のガンプラとは言え、形状自体はかなり良好で、はっきり「ここがおかしい」という点は見当たらない。
旧キットなので可動は最低限だが、頭部と両手首の「オールレンジ攻撃」は再現されている。
足がないデザイン(80%の未完成のまま参戦したという設定)なので、空中浮揚した雰囲気になる飾り台も付属している。
あの有名な「足なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです!」という整備兵のセリフが脳裏によみがえってくる(笑)
大きさがちょうど合う1/100ドムの足を接着して「完成形」にするのが一部で流行っていたっけ。
まずは素組み。
成型色は微妙に青味がかったライトグレーと、ダークブルー。
ああ、これも作ったなあ。
小学校当時の私のガンプラの塗り方は、成型色そのままで行けるところは塗らず、別の色の所だけ水性塗料で塗るという方法だった。
たとえばジオングのような二色成型プラモの時に問題になるのが、「首やお腹の部分」のような箇所をどうするかということだ。
設定では頭部や肩、スカート部分と同じ「微妙に青みがかったライトグレーで、成型色の一つに採用されている。
ところがキットではパーツ割りの関係から、もう一つの成型色の「ダークブルー」の方になってしまっているのだ。
つまり、別の成型色に合わせて混色しなければならない。
私はこの後、小学校高学年にはガンプラ塗装経験から独自の理論を編み出すことになるのだが、ジオングを作った当時はまだそこまでには至っていなかった。
色相環や彩度という混色理論は中学美術で習うので、小学生には微妙な混色は難しかったのだ。
非常に惜しいのだが、「黒と白と青」を混ぜることしか思いつかず、どうしても同じ色が作れなかった。
正解は「黒白青にわずかに赤を混ぜる」で、それに気付いたのはジオングを作ってから一年以上経ったあとだった。
結局同じ色が作れないまま、不本意な出来上がりになってしまった。
今回は全塗装、「絵描きの筆塗り」を駆使し、雰囲気で全体の色バランスを整える。
あれから四十年近く、私も少しは成長したのだ!
飾り台の紙製背景も付属しているが、書き割りっぽいので今回は付けなかった。
初期ガンプラなので可動は少ないが、オールレンジ攻撃をシャフトで再現!
おお、写真で見るとけっこう良い!
同スケールのガンダムやザクと並べてみると、巨大さがよくわかる。
このジオングも、色分けや可動を大幅に改良した現行HGUC版がある。
もちろん良いキットなのだが、デカいだけにちょっと高いのよね。。。
●HGUC 1/144 MSN-02 ジオング
旧キットも形状だけならHGUC版と比べてもさほど遜色がないのが素晴らしい。
心行くまで「プラモ作り」がしたいなら、やっぱり旧キットだ!
2017年06月29日
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