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2018年05月27日

分岐点1983(80年代リアルロボットブーム覚書)その1

 この2年ほど、昔のガンプラをもう一回作りながら、80年代前半の「リアルロボットブーム」について、あれこれ考え続けてきた。
 私はまさに「直撃世代」で、小中学校をその渦中にどっぷりつかって過ごしてきた。
 幸か不幸か、ハマりやすい対象年齢であるローティーンの期間に、ちょうどぶち当たっていたのだ。
 過去記事でまとめた年表でまとめた通り、私はリアルロボットアニメの質量ともに最盛期は、1983年あたりだったのではないかと考えている。
 そして、日本のサブカルの一つの「分岐点」もまた、そのあたりにあったのではないかと思うようになった。

 前後1年も含めた82〜84年の三年間の流れを、前出の年表から抽出し、更に加筆してふり返ってみよう。
(★はリアルロボットアニメ作品そのもの、●は関連事項、〇はサブカル時代背景)

【前史】
 79年放映されたTVアニメ「機動戦士ガンダム」は、80年に入って視聴率不振により打ち切られた。
 しかし熱心なファンの応援もあって放送終了後にバンダイから異例のプラモデル発売
 81年には劇場版が公開され、作品、プラモデル共に社会現象レベルのブームが勃発する。
 同時期のTVアニメ作品「伝説巨神イデオン」「太陽の牙ダグラム」もヒット。
 ガンプラブームの余波を受け、それぞれアオシマ、タカラから発売されたプラモデルもヒット。

【82年】
★劇場版完結編「機動戦士ガンダムV めぐりあい宇宙」公開
★TVアニメ「戦闘メカ ザブングル」放映開始
★TVアニメ「超時空要塞マクロス」放映開始
★劇場版「THE IDEON 接触篇 A CONTACT」
 新作映画「THE IDEON 発動篇 Be INVOKED」同時公開

●コミックボンボン誌上でガンプラマンガ「プラモ狂四郎」(やまと虹一)連載開始。
 以後「ボンボン」誌は実質「低年齢向け模型誌」になり、当時の人気モデラーが毎号ハイレベルな作例を発表する場になる。
●ホビージャパン別冊「HOW TO BUILD GUNDAM 2」刊行
●「ガンダム」作中のメカがプラモで出尽くし、ブームが継続中にも関わらず「弾切れ」となる。
●「ザブングル」のプラモデルがバンダイから順次発売されるも、ガンプラほどのブームにはならず。
●「マクロス」のプラモデルはイマイ、アリイから発売し、ヒット。

〇マンガ「AKIRA」「風の谷のナウシカ」連載開始
〇映画「ブレードランナー」公開

【83年】
★TVアニメ「聖戦士ダンバイン」放映開始
★TVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」放映開始
★TVアニメ「超時空世紀オーガス」放映開始
★TVアニメ「機甲創世記モスピーダ」放映開始
★TVアニメ「銀河漂流バイファム」放映開始
★劇場版「ザブングルグラフィティ」
    「ドキュメント 太陽の牙ダグラム」
    「チョロQダグラム」同時上映

●ガンプラ、アニメ作中に登場しないバリエーションメカ展開である「MSV」シリーズ販売開始。
 社会現象と呼べるほどのガンプラブームは既に収束していたものの、好調に新製品の発売が続く。
●バンダイから「ダンバイン」「バイファム」、そして「ボトムズ」「オーガス」「モスピーダ」のプラモデルもそれぞれ他社から順次発売。

〇劇場版「宇宙戦艦ヤマト 完結編」公開
〇角川劇場アニメ第1作「幻魔大戦」公開
〇劇場版「うる星やつら オンリー・ユー」公開
〇マンガ「北斗の拳」連載開始
〇映画「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」公開
〇任天堂「ファミリーコンピュータ」発売
〇ビデオ機器の普及、進む

【84年】
★TVアニメ「重戦機エルガイム」放映開始
★TVアニメ「機甲界ガリアン」放映開始
★TVアニメ「巨神ゴーグ」放映開始
★TVアニメ「超時空騎団サザンクロス」放映開始
★劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」公開、主題歌と共にヒット。

●バンダイから「エルガイム」、そして「ガリアン」「ゴーグ」「サザンクロス」「劇場版マクロス」のプラモデルも、それぞれ他社から発売。
●好調だったガンプラMSVシリーズ、「弾切れ」により失速、新製品の発売終了。
●コミックボンボン別冊「スーパーモデリング」刊行
●月刊模型誌「モデルグラフィックス」創刊

〇劇場版「風の谷のナウシカ」公開
〇劇場版「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」公開
〇マンガ「ドラゴンボール」連載開始

【その後の流れ】
 85年には(ファンにとってもスポンサーにとっても)待望のガンダム続編、TVアニメ「機動戦士ゼータガンダム」が放映され、バンダイからプラモデルも発売されるが、かつてほどのブームにはならず。
 86年には更なる続編「機動戦士ガンダム ダブルゼータ」放映されるが、TVシリーズとしてはこれでいったん終了となる。
 80年代後半に入るとリアルロボットアニメのTVシリーズが切れ目なく放映される流れは収束、85年のファミコンソフト「スーパーマリオブラザーズ」の爆発的ブームと共に、プラモブームも収束していくことになる。
(続く)

posted by 九郎 at 01:04| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする
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