2018年06月11日

旧キット 1/144 MS-06R ザクU(前編)

 先月、あさのまさひこ著「MSVジェネレーション」を読んだことをきっかけに、80年代前半のリアルロボットアニメ、プラモのブームについて、色々思うところがあり、当時のプラモ少年からの一つのアンサーとして一連の記事にしてきた。

 分岐点1983(80年代リアルロボットブーム覚書)


●「MSVジェネレーション ぼくたちのぼくたちによるぼくたちのための『ガンプラ革命』」あさのまさひこ(太田出版)

 81〜82年、劇場版ガンダム三部作公開と共に勃発した空前のガンプラブームを「第一次ブーム」とするなら、83〜84年のMSVシリーズ発売は「第二次ブーム」にあたるだろう。
 アニメ作中に登場しない派生MSプラモのブームは、第一次ブームでプラモ制作の楽しさを知り、技術を身に付けた小中学生を主要な顧客に、年長のモデラーやファン層をイデオローグとして牽引された。
 その頃の私は完全に子供。
 素組みや小改造、筆塗り塗装がなんとかできるようになった程度の、当時よくいたプラモ少年の一人だった。
 MSVシリーズは、そのくらいのレベルの子供にとってはほど良い難易度で、第一次ブームが終ってもまだプラモが作りたかった層の受け皿になった。

 私たち年少ファンにとってのMSVは、なんだかんだ言ってもやっぱり「ガンダム」だった。
 マンガ「プラモ狂四郎」のパーフェクトガンダムをシリーズ向けにアレンジした「フルアーマーガンダム」が一番人気だった。
 後に狂四郎のパーフェクトガンダムそのものもプラモ化され、ファン主導のMSVブーム終盤のサプライズギフトになった。

 一方、年長ファン層にとってのMSVは何と言ってもザクの派生デザインが人気だっただろう。
 上掲の「MSVジェネレーション」でも、著者あさのまさひこが最も熱を込めて語っているのはプラモ第一作にあたる「1/144 MS-06R ザクU」だった。
 読んでいるとムラムラとこのプラモをもう一度作りたい気分が盛り上がってくる名文である。
 ちょうど手元には、中古屋のワゴンセールで安く入手した「箱つぶれ」が確保してある。
 さっそく引っ張り出して作り始めてみた。


●1/144 MS-06R ザクU

 年長ファンの間では「ゼロロクアール」と呼びならわされていたであろうこのプラモ、私たち年少ファンの間では「ザクツー」で通っていた。
 アニメのザクよりカッコいいパワーアップ型だから「ザクツー」という、子供らしい理解の仕方である。
 本来の設定(まあ、これも後付けなのだが)では、アニメの「旧ザク」にあたるのが「MS-05 ザクT」で、量産型ザクやシャアザクにあたるのが「MS-06 ザクU」である。
 ノーマルな「ザクU」に追加装備を盛り込んであるのが「Rタイプ」なので、型番でいえば年長ファンの「ゼロロクアール」がやっぱり正しい。
 こんな所にも「理論の年長ファン、無邪気に楽しむ年少ファン」という構図が表れている(笑)

 まず、箱絵が素晴らしい。
 MSVはどれも「箱買い」できるものが揃っており、中身の出来とのギャップも少ない良いシリーズだったが、中でもこの第一作の箱絵は出色である。
 プラモの主役のザクが「後ろ向き」ででっかく描かれていることに度肝を抜かれるが、これは子供だった私でも「まあ、前から見たらほとんど普通のザクと一緒やからな」と、すぐに納得したことを覚えている。
 MSVがMSVたる特徴は、ノーマルシリーズに比べてかなり大型化されたランドセル(当時は「バックパック」と呼ばれていなかった)に顕れるので、この箱絵のアングルは絶対的に正しいのだ!

 このプラモは今でも再販されており、タイミングさえ良ければ定価の500円、量販店なら二割引き程度で買えるので、「今すぐ欲しい」という人以外は無理してプレミアで買ったりするようなものではない。
 私が確保していた中古プラモは、箱のくたびれ具合いや、チューブ型の接着剤が入っていることから見て、おそらく当時品。
 古いガンプラの中古品はプラが劣化・変形していたり、付属デカールが変色・干からびたりしている場合があるのであまりお勧めはできないが、私が確保していたブツはさほど状態は悪くなかった。

 まずは素組み。
 ダークグレーの一色成形。
 昔のプラモなのでパーツの接着面の不整合やヒケは各所にある。
 別売りの接着剤による溶着、合わせ目消し、パテ埋め等は必須で、むしろその作業工程を楽しむのが旧キットだ。

msv-002.jpg


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 足首可動軸の接着固定がけっこう難しかった。
 この箇所は「しっかり接着して2〜3日(できれば一週間ぐらい)動かさずに待つ」のが正解。
 子供の頃はそれが待てなくて動かしてしまい、色々大変になってしまったことなど、思い出した(笑)
 旧キットとは言え、可動にこだわる人は、ここをボールジョイントにして接地を改善するだろう。

 今回私は往年の名作プラモをそのまま味わうため、完全に素組みにしてあるが、子供の頃作った時には小改造をほどこした。
 GWに実家に帰省した時に、押し入れマウンテンサイクルから当時造った「ザクツー」のパーツが一部が発掘されたので、紹介してみよう。
 改造個所がよく分かるのは胴体前面。


06R-05.jpg


 コクピットハッチが開くように、プラ板で工作してある。
 今見ると工作も塗装もかなり荒っぽいが、とにかくちゃんと完成させているのは偉い!
 頑張ったな、三十数年前の俺!

 この「前作」を完成させたのが確か中学に上がった前後だったはずだ。
 この後、私は雑誌の作例記事等で眼ばかり肥え、頭でっかちになってしまって、やたらにプラモを切り刻んで結局完成しない不治の病に罹ってしまった。
 中二病のプラモにおける一症例、未完成癖である。
 刻を超えてアドバイスができるなら、「とにかく無理せず一つ一つ完成させろ!」「他人の作例や、手法の流行は気にするな!」と言ってあげたい(笑)


 今はもう、達観したおっさんなので、流行りなど気にせず好きに造り、好きに塗ることができる!

06R-04.jpg


(続く)
posted by 九郎 at 22:24| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする
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