(続き)
フィギュア造形の経験値が低いうちは、顔や手足の末端など、細工の難しい所から作り、周辺で辻褄を合わせた方が完成しやすいです。
そうした末端部分、そして体表の羽毛表現のために、泥縄的に図書館で鳥類図鑑を観ながらスケッチを重ねました。
中でも参考になったのが、赤勘兵衛「鳥の形態図鑑」(偕成社)でした。
細密な線画で描かれた鳥類の図像は、写真よりはるかに理解しやすかったです。
しょせん架空のモンスターなんですけど、想像で作るにしても材料がないと無理。
「このような形をなぞれば鳥的に見える」ということをまずはスケッチで手になじませ、造形に入ります。
羽毛等の細工には、百均のネイルアート用具が役立ちました。
とくに先が樹脂製のヘラは、粘土やエポキシパテがけば立たずに溝を刻むことができ、めっちゃ小さい指先を手に入れたような感覚でした。
Twitterで紹介されていた便利用具です!
翼などの薄い末端部分は粘り強度のあるタイプのエポキシパテ。
硬化前にヘラなどでぐいぐい形を刻みます。
三年ほど前にプラモ復帰して以来の経験から、塗装を想定しながら体表を作ります。
さほどテクがあるわけでもないので、そこそこモールドがあった方がそれに助けてもらえます。
そう言えば夏に作ったガジロウ(今回のコンテストの福崎町の妖怪プラモ)が塗りやすかったことなど思い出しながら。
作り込む所は作り込みますが、メリハリをつけて小刀の削り跡そのままのような所も残します。
全てを緻密にやる技術はないのと、動きや勢いを出しやすいためです。
そして造形段階の最後の難関、「怪人コトリが担ぐコトリ袋に浮かんだ、攫われた子供たちの無念の表情」を制作します。
あらためて文字で書くと、我ながらどうかしてます(苦笑)
顔一つずつエポキシパテを盛りつけ、百均ネイル用品でそれぞれ別の表情を刻みます。
作ってる間、それぞれの顔と同じ表情をしていました(笑)
写真はサーフェイサーを吹いた状態。
造形が終わったら、目立つ粗だけ修正しながらサフを重ね、全体につや消しブラック。
そしてアクリルガッシュの茶色をざっと下塗り。
下塗りまで進めながら、同時進行で着色案。
例によって泥縄で鳥類図鑑をめくりながら、色合いを模索します。
結局、ヒクイドリやキジの配色を参照することに。
ドライブラシっぽく色を重ねていきます。
ノートに書きだした「妖怪談義」の記述を眺めながら、妄想を掻き立てて塗り重ねます。
地方によっては「脂を搾って南京皿を焼くのに使う」とか。。。
あちこちのエッジ部分にゴールド系のドライブラシをかけ、仕上げ。
確か昔のソフビ怪獣に、こういうアクセントがあったはず。
一応尾は浮いていて、細い足の二足自立ですが、広がった四本指なので見た目よりは安定しています。
最後にトップコートでつやを整え完成です。
応募結果は前回記事冒頭でお知らせしたとおり。
残念ではありますが、とても充実した制作ができました!
そして、この怪人の制作過程で人体デッサンの必要性にあらためて思い至ったことから、先月再勉強をはじめたのでした。
2018年12月15日
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