マンガ「じゃりン子チエ」のコンビニ版を見かけた。
懐かしくなり、読み返してみる。
やっぱりすごくいい。
すぐにはフォロワーが思い付かない孤高の名作である。
連載当時小学生だった私は、アニメ化されてからファンだった。
掲載誌は大人カテゴリで、元来は子供向けの作品ではなかったはず。
だからこそというべきか、登場する大人キャラの感情表現が細やかで、読みごたえがある。
灰谷健次郎の児童文学作品にも、少し通じる雰囲気がある。
登場人物の作中に描かれている以外の時間の過ごし方、生活感まで、みっしり感じられる。
マンガにおける人物描写の厚みでは、ちばてつや作品と双璧かもしれない。
おっさんになってからあらためて読んでみると、一話ずつしみじみ味わえる。
博徒、テキ屋、稼業人、愚連隊など、アウトローがけっこう細かく描き分けられてるのに気付いたりもする(笑)
テツやカルメラ兄弟が「ヤクザではない」という設定は、子供の頃はもう一つピンと来ていなかった。
今読むと「じゃりン子チエ」作中の「ヤクザ」は、割りと厳密に「博徒」として描かれている感じがする。
カルメラ兄弟はテキ屋で、テツは強いて言うなら愚連隊だろうか。
地獄組のレイモンド飛田は、シノギのアップデートに機敏な「近代ヤクザ」だったのだな。
アウトローと堅気の間にはさほど明確な線引きはなく、グラデーションの中、日々の肉体労働に疲れた男たちが束の間休息するホルモン焼き屋の風景。
テツのかつての恩師、花井拳骨先生は、古き善き地域の文化人の趣き。
一昔前までの学校の先生は、歴史、文学、芸術、スポーツ等の地域文化の担い手だったのだ。
作中に「失われた昭和」がいっぱい詰まってる。
東の「サザエさん」、西の「じゃりン子チエ」と並び称しても良いのではないか。
人間たちのリアルな生活風景と並行して、ファンタジックな猫たちの世界が広がっているのも非常に面白い。
そう言えば昔、関西圏ではアニメのエンドレス再放送をやっていたっけ(笑)
特に土日の昼間とか、復活してくれないものか。
しょうもないネトウヨレベルの政治ワイド放送するくらいなら、「じゃりン子チエ」流してる方が遥かに関西のためになると思うのだ。
近年再放送されないのは、まさかとは思うが、コンプライアンス的な何かなのだろうか?
今刊行されているコンビニ版は旧単行本の二巻分ほど、第一話〜ヨシ江が家に帰って来るまで収録。
ヒラメちゃんやアントニオジュニア、コケザル、地獄組のボス等は未登場。
レギュラー陣が出揃うくらいまでは再読したいので、続刊に期待!
ついでにスピンオフ「どらン猫小鉄」も、もう一度!
2019年03月03日
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