これまでのスケッチは以下に。
原風景スケッチ1
原風景スケッチ2
原風景スケッチ3
父方の原風景スケッチも、ぼちぼち進めたい。
父方祖父母宅は、播州のある港から城下を直線で繋ぐ旧街道沿いにあった。
街道の起点の港から南の海側は、私の生まれた70年代頃には広大な埋め立て工業地帯になっていて、古い町並みに高度経済成長の風景がガバッと被さっていた。
スケッチは近年の風景からだが、景色自体は当時とさほど変わっていないだろう。
ただ、河川や海の水質はかなり酷かったはずで、現在はかなり改善されているだろう。
港から少し北上した街道沿いには地元で有名な寺があった。
戦国時代の石山合戦で、大坂と毛利水軍の中継点として機能した播州河口の寺内町が、江戸時代に東西本願寺の系統に分かれて移転したうちの一方である。
父方はこの寺に縁があり、私は大人になってから由来を知った。
街道は親の世代が子供の頃にはまだ陸運や行商等の昔ながらの往来が残っていたらしい。
私が子供の頃には既に幹線ではなくなり、交通量の少ない舗装道路になっていた。
祖父母宅の近所で自動車道の高架がまたがって横切り、幼い私はその下にある児童公園でよく遊んだ。
70年代には、往時の古い家屋、農地と、高度成長期の風景が混在していた。
60年代風のいわゆる昭和レトロな駄菓子屋も町屋風の古い家屋で健在だった。
(続く)