須弥山のことを調べているうちに、色々関連事項についても勉強できた。
須弥山宇宙観には、人や神々や星、阿修羅の住まう位置が、一応全て含まれており、インド起源の古い神話はそうした位置関係を下敷きにしている。
その中に蝕でも話題になった、「月を喰う悪魔」のお話がある。細部には諸説あるが、概容を紹介してみよう。
昔、不老不死の霊薬「アムリタ」を盗んだ阿修羅がいた。
太陽と月がそのことをヴィシュヌに告げ口すると、ヴィシュヌは阿修羅の首を切った。
しかし阿修羅はアムリタを飲んでいたので、首と胴体はそれぞれラーフとケートゥという星となった。
ラーフは太陽と月を憎んで追い回すようになり、時に飲み込むこともあるという。これが日蝕・月蝕である。
しかしラーフには胴体が無いので、飲み込まれた太陽と月はすぐに現われてしまうのだ……
2007年09月30日
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道元禅師に見る「神話」について(前)
Excerpt: 「神話」に於ける現象学的考察を進めながら、道元禅師の世界観を見ていきたい。
Weblog: つらつら日暮らし
Tracked: 2007-09-30 17:46
この話、『大智度論』にもありますけれども、それを道元禅師が引用されて、弟子達を前に説法しているのが記録に残っています。
以前、そのことを拙ブログで書きましたので、TBいたします。
コメント、TBありがとうございます。
TBの記事を読ませていただきました。こちらで紹介したものと読み比べると、インド神話が仏教的に巧みに読み替えられた様子がうかがえて、興味深いですね。