2008年01月26日

啖呵の声

 子供の頃、よく母親に連れられて市場に行った。
 最近のスーパーとは違って、一つの建物の中に様々なお店が軒を連ね、店員さんが張りあげる啖呵の声が響き渡る空間だ。
 いくつかのフレーズが今でも頭に残っている。

ヘイラッシャーアァイ、ヘイマイド
ヘイラッシャーアァイ、サアコウテ

サア!コウテコウテコウテコウテ!(拍手とともに)
  リズミカルで耳に残るメロディ。よく真似して遊んだ。
 人ごみでも良く通る声は「塩辛声」と言うのだろうか。ああいう声も、日常的には中々聴けなくなった。

 啖呵の声と言えば、なんと言っても縁日の風景。
 子供の頃住んでいた家のすぐ近くには神社があって、折々の縁日には夜店が出た。
 私は神社の鳥居近くの、斜めに大きく傾いて生えた松の木に登って、夜店の風景を眺めるのが好きだった。
 張り出した枝に腰掛けると、雲の上から下界を眺めているようで気分が盛り上がった。
 裸電球に照らされた赤い暖簾が幻想的で、テキ屋のあんちゃんの啖呵が夢のように響いていた。

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posted by 九郎 at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 原風景 | 更新情報をチェックする
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