警察の介入も見送られたようで、「だったらはじめから余計なことを言うな」とは思うが、祭に便乗した外来者が羽目をはずすことへの牽制だったような気もする。そうであれば理解できるので、批判はここまで。
以前から大好きだった漫画家・諸星大二郎の作品を、最近また読み返している。その中に、最近の祭関連のニュースに関連するテーマの短編があったので一つ紹介しておこう。
●「天孫降臨」諸星大二郎 (ヤングジャンプコミックス)
諸星大二郎の代表作の一つ「妖怪ハンター」シリーズ中の一冊。
この本は短編連作集で、収録作のうちの「闇の客人(まろうど)」が、伝統的な祭の再生を扱った作品になっている。
主人公の学者・稗田礼二郎は、とある山村で伝承の絶えた祭の再生に協力する。しかし再生された祭は、観光誘致を主目的とした地元業者の都合で、様々な点で本来とは違った形の物となってしまった。祭の準備が進む中、数々の怪事件が村を襲い始める……
背景に横たわる神話の構造を無視して、上っ面の体裁だけを整えた祭が、本来保っていた微妙なバランスを破壊して災厄を呼び込む。この作品はファンタジーとして描かれているけれども、おそらく日本各地で起こっている「祭の空洞化」が、異様な迫力と郷愁を持って描かれている。
物語のラストでは、ただ一人古来の祭を知る百歳の老人が、災厄を引き連れて異界へ去っていく。
それを見送る主人公の最後の言葉が、重く響く。
祭は終った……
永遠に……
どうやら、当日はほとんど、警察が権力を行使することがなかったようですので、ご指摘のような「祭に便乗した外来者が羽目をはずすことへの牽制だった」という感じがしますね。やはり、あまりに名前が売れすぎたことへの懸念があの表明を出させたのかな?とも思います。
話題のポスターに写っていた人が裏方に回らざるを得なかったのは気の毒でしたが、それも含めて当事者の皆さんがうまく調整しきった感じがします。
今回の話題で色々とお祭について考えることができました。