2008年04月29日
熊野への入り口2
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熊野古道は大阪天満から始まっているけれども、大阪府内の古道はほぼ消滅していると言ってよい。現在は調査が進んでその痕跡は辿ることが出来るが、各所に断片的に史跡が残っているだけで、正直「ルートを辿ること」や「歩くこと」自体が楽しいものではない。
和泉葛城山脈を越えて和歌山県内に入ると、ようやく「熊野の入り口」を実感することが出来る。
和泉葛城山脈を越えると空気がパッと明るくなり、気候も温暖に変わる感がある。解放的な海辺の雰囲気は「海の熊野」の持ち味だ。
熊野には「海」と「森」の要素があって、前者は「常世の国」へ、後者は「死の国」へと続く。図式化すると「明るい海」と「暗い森」なのだけれども、熊野の場合はそれほど単純ではなく、「明るい海」にも死の影は濃いし、「暗い森」にも再生の光は差す。
和歌山市周辺は、どちらかと言うと「海の熊野」の要素が強い。
熊野古道だけではなく、葛城修験の道や淡嶋街道などの紀ノ川沿いの街道の数々や、高野参詣道も交錯しており、往時には聖俗入り乱れた様々な交流があった地域だ。
役の行者の強い影響下にある葛城や友ヶ島、更に古層の神話の風景が垣間見える和歌浦、そして弘法大師の高野山へと、信仰の道は様々に絡み合う。
和歌山市はその交差点だ。
さすがに和歌山市内の市街地には古道の雰囲気は存在しないが、海南市の藤白王子神社辺りから下津町にかけては、往時を偲べる古道の雰囲気が各所に残っている。大阪経由で熊野に入る場合、手軽に「熊野」を体感できるルートになるだろう。
この記事へのトラックバック
来月(明日から5月やけど)、行ってこようと思っています。
けど、自動車は運転しないので、多分「歩き」になります。
十津川から行ったら、逆ですか?
「歩きで十津川から」ということは、奈良の五條あたりからバス利用になるんでしょうか?
どこを目的とするかにもよりますが、「逆」ということはないと思いますよ。
この記事カテゴリ「熊野」の「熊野への道」という記事も、参照してみてくださいね。