
それがいつ頃からかは定かではないが、お地蔵様は子供の守護神としても信仰されるようになった。生きている子供を守護するのはもちろんのこと、親に先立ち、幼くして亡くなった子供の死後も、守ってくれると信じられるようになった。
十歳に満たず逝った幼児は、賽の河原で親恋しさに石を積み、泣き叫ぶ。そこに鬼どもがやってきて、鉄棒でせっかく積んだ石の供養塔を突き崩す・・・
幼い子供に何の罪があってそのような世界に行かねばならないのか、現代人には中々理解できない。しかし幼児に先立たれた親の心、守りきれなかった悔いの思いが、そのような物悲しい風景を生み出してしまったのかもしれない。
有名な「賽の河原和讃」は、時代を超えて聴く者の心に突き刺さる。
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