2006年03月29日
賽の河原のモノガタリ
それがいつ頃からかは定かではないが、お地蔵様は子供の守護神としても信仰されるようになった。生きている子供を守護するのはもちろんのこと、親に先立ち、幼くして亡くなった子供の死後も、守ってくれると信じられるようになった。
十歳に満たず逝った幼児は、賽の河原で親恋しさに石を積み、泣き叫ぶ。そこに鬼どもがやってきて、鉄棒でせっかく積んだ石の供養塔を突き崩す・・・
幼い子供に何の罪があってそのような世界に行かねばならないのか、現代人には中々理解できない。しかし幼児に先立たれた親の心、守りきれなかった悔いの思いが、そのような物悲しい風景を生み出してしまったのかもしれない。
有名な「賽の河原和讃」は、時代を超えて聴く者の心に突き刺さる。
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2006年03月30日
2006年03月31日
2006年06月04日
カテゴリ「地蔵」参考図書
遅ればせながら、カテゴリ「地蔵」をカタるにあたって参照した本の中から、入手しやすく読みやすい二点を紹介。
地蔵信仰の諸相について、ひろさちやをはじめ多数の論者がそれぞれの角度からアプローチ。純然たる入門書でありながら、幅広い内容を網羅している。誰にとっても平易で親しみやすい一冊。
日本の地蔵信仰を語る上で重要な「延命地蔵経」(漢文と現代意訳)、「地蔵和讃」、「笠地蔵」等も、他の資料とともに収録されている。
とくに「延命地蔵経」は(和製の偽経とされてはいるが)地蔵菩薩の由来が短く、簡潔に、ファンタジックにまとめられたお経で、いつの日か「絵解き紙芝居」にしてみたいと思わせる内容で、非常に読み応えがあった。
こちらも印度、中国、日本における地蔵信仰の流れを網羅した入門書であるが、やや硬い内容。各種原典を明示して論を進めているので、この本を入り口に各自の興味に従って読書を進めていくことが出来る。こういう確実な内容の本が安価に入手できるのは、私のような独学絵描きとしては本当にありがたい。
同著者は同じ塙新書で「観音信仰」「呪術宗教の世界」なども出しており、「正統」仏教だけでなく土俗・民間信仰の領域まで視野に入っているところが素晴らしい。
私は「おじぞうさま」を考える時、「土俗」は決して無視できないばかりか、むしろ本質に迫る鍵になると思うのだ。
地蔵信仰の諸相について、ひろさちやをはじめ多数の論者がそれぞれの角度からアプローチ。純然たる入門書でありながら、幅広い内容を網羅している。誰にとっても平易で親しみやすい一冊。
日本の地蔵信仰を語る上で重要な「延命地蔵経」(漢文と現代意訳)、「地蔵和讃」、「笠地蔵」等も、他の資料とともに収録されている。
とくに「延命地蔵経」は(和製の偽経とされてはいるが)地蔵菩薩の由来が短く、簡潔に、ファンタジックにまとめられたお経で、いつの日か「絵解き紙芝居」にしてみたいと思わせる内容で、非常に読み応えがあった。
こちらも印度、中国、日本における地蔵信仰の流れを網羅した入門書であるが、やや硬い内容。各種原典を明示して論を進めているので、この本を入り口に各自の興味に従って読書を進めていくことが出来る。こういう確実な内容の本が安価に入手できるのは、私のような独学絵描きとしては本当にありがたい。
同著者は同じ塙新書で「観音信仰」「呪術宗教の世界」なども出しており、「正統」仏教だけでなく土俗・民間信仰の領域まで視野に入っているところが素晴らしい。
私は「おじぞうさま」を考える時、「土俗」は決して無視できないばかりか、むしろ本質に迫る鍵になると思うのだ。