2007年07月20日

河合隼雄さんのこと

 ニュースを見ていて、河合隼雄さんの訃報を知った。著作の愛読者として、ただ哀しい。昨年八月病に倒れられてから、ご回復を祈念していたのだが。
 氏の著作から個人的に思い入れのある一冊を紹介しておこう。




●「トポスの知―箱庭療法の世界」(河合隼雄, 中村雄二郎 著)
 河合隼雄さんの著作には有名な本も多数あるが、この本は「箱庭療法」について具体的な事例や、実際の箱庭の写真をもとに紹介した一冊。
 専門知識は無いので印象で紹介するしかないが、ともかく個人的に受け取った内容を書く。
 この本で紹介される箱庭療法では、「医師が治す」のではなく、心の悩みを持つ人が箱の中の小さな世界を作る場に「医師が居合わせ」て、ともにその世界を体験することで新しい局面が生まれていく。
 その過程は、時にスリリングで時に感動的だ。
 箱の中の砂山に表現された世界は、たった一つの人形の位置を、ほんのわずかずらしただけで刻々と変化していく。
 「こうすれば良い」という正解の無い中を、手探りで一歩ずつ関わっていく対話の在り方は、私のこだわる「絵を描く」と言う行為とも重なって、多くのことを考えさせられた。
 手元に置き、何度でも読み返したい一冊。
posted by 九郎 at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2007年08月27日

プロレスの神様

 この夏、私が個人的に思い入れのある幾人かの方々が、お亡くなりになった。
 2007年7月28日には「プロレスの神様」カール・ゴッチさんが、82歳で昇天されている。続きを読む
posted by 九郎 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2007年11月04日

前田常作氏のこと

 調べ物をしていて、先月13日に画家の前田常作さんがお亡くなりになっていたことを知った。
 前田常作さんは早くから曼荼羅を現代絵画の画材で描くことを追求しておられた。現代美術と、単なるイメージではない曼荼羅の意義の両立を試みた先駆者だった。
 
 仏像や仏画はまずは儀軌に基づいて制作されることが求められるが、何もかも「昔のまま」だった訳ではなく、素材や表現アプローチは各時代の最先端が導入されてきた。
 前田常作さんは曼荼羅にアクリル絵の具と「奥行き」を導入し、仏の姿や風景と曼荼羅をシンクロさせる表現を導入した。その様々な試みは、密教を現代に蘇らせる試みそのものだったと思う。

 神仏絵図を描く者のハシクレとして、もう一度画集を開いてみたい。
 


●「前田常作のアクリル画」前田常作
 技法解説書の体裁をとっているが、実質的には前田常作による曼荼羅現代化の詳細な記録になっている。一つ一つの試みが、曼荼羅についての思索にもなっていて、今の時代に仏教図像を描く事の意義を、あらためて考えさせられる一冊。


 このカテゴリ、訃報続きだ。
 合掌。
posted by 九郎 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(1) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

孔雀王

 以前、漫画「孔雀王」について、ちょっとだけ触れたことがある。
 その記事に寄せていただいたコメントへの返信で、私はこのように書いた。
 80年代半ばに「孔雀王」がはじまった当時は、まさに衝撃でした。当時から密教の、とくに「孔雀明王」に着目した荻野真さんは、物凄いセンスですね。物語の構図を金剛・胎蔵両部曼荼羅の対比に収斂した手腕も見事でした。
 90年代の「退魔聖伝」では、神道の世界に分け入り、中断。「夜叉烏」の新境地へ。今回は満を持しての再開だと思います。期待大ですね。

 私も前回の「退魔聖伝」の記憶は薄れているので、機会があれば読み返したいです。神道がテーマであれば、孔雀のライバル・王仁丸むきの舞台ですが、王仁丸は無事だったのかどうか・・・
 そう言えば、王仁丸の守護神はマハー・カーラ、大黒天でした(笑)

 「孔雀王」のことは語りだすと長くなりますね。エントリで独立させてもいいかもしれません。

 連載復活から一年以上過ぎて、ようやく私が待望していたキャラクターの「王仁丸」が登場しそうだ。
 手前味噌になるけれども、当ブログのカテゴリ大黒は、王仁丸が活躍しそうな「孔雀王」の今後を楽しむ上で、絶好のサブテキストになるのではないかと、勝手に妄想している。
 王仁丸ファンの皆さんは、よかったら参照してみてください。


 ついでにロゴ画像に一度使ったまま、お蔵入りさせていた孔雀明王の絵を、もう一度復活させておこう。

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posted by 九郎 at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2008年02月09日

中春こまわり君、再び

 今から2年近く前、70年代に一世を風靡したギャグ漫画「がきデカ」の、同窓会的作品「中春こまわり君」を取り上げた。
 最近この「中春こまわり君」が、週刊ビッグコミックで再び復活した。現在発売中の2.25号で、連載第二回目。四回で完結の予定。

 今回もまた、面白い。
 連載2回目にしてエンジンが温まってきたのか、繰り出されるギャグの「間」やテンポが絶妙だ。往年のハイテンション・ハイスピードではないが、「間」で笑わせる芸が素晴らしい。

 まだ連載中なので引用はしないけれども、何十年という時間を経過した作品だからこそかもし出された味わい深いセリフも多く、良い感じの枯れ方だ。
 同じ雑誌に載っている「ゴルゴ13」が、何十年と変わらない姿で活躍していることと好対照に見える。

 あと2回、期間限定でこまわり君と再会できることに、感謝。

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posted by 九郎 at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする